ゴゴジャンTakizawa レター

ゴゴジャンTakizawa レター
ビックピクチャーとマーケットのメカニズムは車の両輪

2016年12月31日土曜日

年末特集 大河ドラマの楽しみ方


     

本当はまだ誰もわからないトランプの正体

                                   
            結局ダースベイダーは悪のなか善なのか




NHKのドラマの相場観は、
バイアスの中の金融市場の専門家にはない未来へのヒントがある。
今年の大河「真田丸」にも、終盤の大阪城籠城をめぐる駆け引きには
現代に通じる重要なテーマがあった。

結局大阪城への籠城は豊臣の命運を変えたのか。
ここではインフレを起こすために中央銀行がマネーをするのは、
結果的に戦う意欲をなくし、デフレの深み嵌るだけとしてきた。
まさに籠城策。それはトランプの登場でわかったはず。

また家康のストラテジーの老獪さと、論功行賞でのフェアは重要なコントラスト。
政治でも経済でも、歴史を変えた英雄はここを抑えている。

そして来年スタートのトランプドラマはどうだろう。
配役は、30年前のレーガンドラマでチョイ役だった役者を使い、(経済スタッフ)
外交は、ニクソンドラマのシナリオを勉強している。(キッシンジャーなど)
まあ個人的には、視聴率はせいぜいGWブッシュ並を想定している。(株価)

一方アメリカという国の現状は、
昨年末から、「スターウオーズ」という大河ドラマで語ってきた。

平和と協調のグローバリスト。率いるレイア姫はヒラリー。
一方で怒りと恐怖というオーダーで秩序を維持する帝国軍。
ダースベイダーはもちろんトランプ。

そして、大半には予想外だったトランプ勝利後の年末、
雰囲気は、1980年公開のシリーズ第二作、「帝国の逆襲」後に似ている。

この作品では、ヨーダが登場し、ジェダイのルークを鍛えた。
だがダースベイダーにはかなわなかった。
終盤「怒り」の世界へ導かれそうになったルークは、自分で身を投げる。
そしてハンソロは捕まり、蝋人形にされたところで映画は終了した。

1980年当時、高校生で観たこの終わり方に戸惑った。
そして作品が公開された1980年のレーガン旋風を模倣したトランプ。
反乱軍の中心、レイア姫役のキャリーフィッシャーの訃報。
ヒラリーを応援したグローバリスト、そして世界平和と協調の若いミレニアルには、
”正義が悪に負けた”苦々しさが漂っている。

ただ大河ドラマは続く。
トランプが選挙での約束を果たすなら、
それは1%のために、金融市場をメルトアップさせるのではない。
99%のための本当の経済を復活させること。

米国内に工場はもどるが、輸出は減る
消費者は米国人が米国で創った高いものを買う。
ソレをカバーするだけの賃金上昇があるなら、
それは企業の利益が労働者の利益に変わると言うこと。

これでインフレが起こらないなら、それはそれでアメリカは死に体。
一方でインフレが起こり、中央銀行が慌てて利上げをするなら、
前政権で生み出された巨大な流動性はイカロスの翼を溶かすだろう。
だが市場はまだその恐さをしらない。


 デフレ期間のベロシテイー


       突如のアニマルスピリットの復活でこの巨大な流動性はどうなる


マーケット参加者の多くはヒラリーが勝った州に住んでいる。
(NY ボストン マイアミ シカゴ LA)

彼らは選挙戦の予想を間違えた失敗を、
次は一方的なトランプへの期待の買いポジションで修正した。
結果、今の株価はトランプ政権の4年間ベストシナリオを、
4週間で織り込んだ状態。

冷静に観察した現状は、今の段階で来年の株に強気なのは、
トランプ勝利を予想しなかった金融市場の大半の人々と
元々トランプ陣営で戦った人。

ソレとは別にトランプとヒラリーのどちらにも属さず、アメリカの現状から、
ヒラリーの選挙戦では、トランプに勝てないことを客観的に予想した人。
知る限り、この中で、来年の株に強気な人は誰もいない。


        政権の顔ぶれで反応した株、でもトランプ政権の正体は?


そして、この二極化の世界情勢の大河ドラマはまだまだ続く。
クリントン勢力が去り、反乱軍(民主党)は、
サンダースやエリザベスウオーレンが中心になっていくはず。

個人的には、トランプはそのときに保守ではない本性を現すと予想する。
その時は彼は帝国を裏切ることになるが、
実現性は最重要ポストのバノン氏の今後の処遇で判断できるだろう。

いずれにせよ、トランプの役割はそこで終わるかもしれない。
ダースベイダーは、その次の作品のリターンオブジェダイ(1983年)で仮面を取り、
ルークを助けて自分は死ぬ。

もしトランプそのリスクをとらないと、
どちらせによ、オハイオ ミシガンやペンシルバニアで
彼を支援した99%を裏切ることになり、
彼の再選はないだろう。


2016年12月25日日曜日

強い馬(三冠馬)と強い株の関係


          

           空前のバブルの前のミスターCBとルドルフ

          


         

        バブル崩壊から回復を模索した頃のナリタブライアン





               小泉改革の頃のデイープ





             アベノミクスとオルフェーブル



株が強くなる頃、必ず強い馬(三冠馬)が出た。
なら次の三冠馬は、いつ出るのだろう。


2016年12月15日木曜日

日本人が「今年の顔」になれない理由












安倍さんはプーチンと逢う。
もし二島でも返還に目処が立つなら、
素直に安倍さんの努力は評価すべきだと思う。

そもそも日本は敗戦国。
アメリカの政策のおかげで4分割されずすんだだけ。
というよりも、スターリンが北方領土だけでなく
北海道まで意欲を見せなければ、
アメリカは敗戦国の日本の領土を
そこまでして守る必要はなかったかもしれない。

そして、もし連合国側の主張通り分割されていれば、
冷戦が終わったあとも、元通りなるのは大変だっただろう。
ベルリンの壁が崩れた後、東西のドイツの再統合に最後まで反対したのは、
民主国家のはずのイギリスのサッチャー首相だった。
サッチャーは、「ドイツは分割しておかないとまた必ず欧州を支配する、、」と
ヒトラーのいないドイツへの警戒を怠らなかった。

これが世界の厳しさ。

スターリンは、ヒトラーから不可侵条約を一方的に破られ、
日本の戦死者の8倍の犠牲を払ってヒトラーを撃退した。(二千万人)
そしてテヘランでのチャーチルとルーズベルトの談合の上で、
北方領土を支配した。

そのルーズベルトのアメリカに、
国防でしがみついている状態でプーチンに4島返還?
国際条約云々を言う前に、
独立国として沖縄問題を解決し、(米軍を返す)
戦後なしくずし的に続いている日米安保条約を破棄し、
世界に向かって日本が本当に独立国になったことを証明いしないと、
世界は相手にしないだろう(ロシア中国だけなく、アメリカ人も、、)

ところが、日頃威勢のいいこと言っているネトウヨ・タレントが
日本は自分で守るより、米軍がいた方が「安上がり」などと言っていた。
国防が安上がり?これで右翼?これでも保守?

いざとなったら、日銀がいくらでもヘリコプターを出せばいい。
ただし、それは日本に日露戦争のときのような覚悟があって可能なこと。
覚悟無く、ヘリコプターを出したら必ず日銀は叩かれる。

そして、トランプは、ニクソンの逆をやろうとしている。
ニクソンにとって最大の敵はソ連だった。
だから二番手の敵だった中国を懐柔した。
状況が変わった今、当面のトランプの敵は中国。
だから、次の敵のロシアを懐柔している。
また日本は素通りだろう。

それでも今の世界の時勢で、
長期の安定政権は国家のメリット。
日本を代表する安倍さんが、
タイムの表紙の男たちにバカにされないように、
そろそろ日本国民が強くなる必要があると思う。
だからこそ、ネットでおかしなネトウヨタレントを使い、
中途半端に、国民の「ガス抜き」をするのは止めた方がいい。



 


以下は12月7日TAKIZAWAレター<第一次世界大戦が本当に終わった日>から抜粋

「、、、TIME誌がトランプを今年の顔に選んだ本日12月7日は、
アメリカには別の意味では重要な起点だ。
75年前のパールハーバーから、
一気にアメリカは頂点に駆け上がる。
完成したのはベルリンの壁が崩壊した1991年だ。

ここですこし普通の日本人のイメージを修正すると、
第一世界大戦は、98年前の1918年11月11日、
ドイツと連合国の間に停戦協定が発足し、戦闘が停止した。
アメリカが参戦し、ドイツは戦況が不利になったのに加え、
前年のロシア革命の影響で、ベルリンの大半が共産圏に組み込まれたことで、
ドイツは停戦協定を飲まなければならなくなったからだ。

ただしその時点ではドイツは戦闘面では完全敗北ではなく、
フランスの大半はドイツが占領していた。
しかしドイツは半年後パリ平和会議で
屈辱的な条約を飲まされた。

このとき、「自分たちは負けたわけではない、、、、」
特に、アメリカ以外の英仏ソに対するドイツ人の内心の怒りが
ヒトラーを生み出す。

そのアメリカも中途半端だった。
この頃から米国は、民主党は英仏より、
国内最大の移民勢力だったドイツ移民を母体にする共和党は
どちらかというとドイツよりだった。

そして共和党が上院を支配すると、
自国のウイルソン大統領(民主党)が提案した平和条約を、
ドイツのぺナルテイーが重過ぎるとの理由で、
米国の上院は批准しなかった。
結果的に国際連盟は骨抜き。
第二世界大戦の種が撒かれた。

ヒトラーはこのときのアメリカをイメージし、
アメリカは参戦しないと勘違いした。
しかし、民主党のルーズベルトは、
結局チャーチルを選ぶ。日本はその材料にされた。
それがパールハーバーだ。

いずれにしても、第一次世界大戦が本当に終わったのはいつか。
前述の様に、第二次世界大戦は第一次世界大戦と繋がっている。
そして第二世界大戦では、ヒトラーを倒すには、
米英はどうしても、スターリンのソ連が協力が不可欠だった。
結局ソレが、ソ蓮と共産主義の勢いを拡大した。
冷戦はその後始末である。つまり、ずっと繋がっている・・
これが日本では教わらない世界史。
その意味で、第一次世界大戦が本当に終わったのは
1991年、ベルリンの壁崩壊(ソ連崩壊)。

この長い戦いの勝利を完成させたレーガンの
再来を自認するトランプが、タイム誌によって持ち上げられたなら、、、、」