ゴゴジャンTakizawa レター

ゴゴジャンTakizawa レター
ビックピクチャーとマーケットのメカニズムは車の両輪

2016年6月27日月曜日

またまさかの敗北、”ラグナ”に呪われたイングランド



英国のEU離脱の大騒ぎが続いている。そもそも大騒ぎになったのは相場が動いたからで、日本のメディアで、事前にその重要性を取り上げたところはあったのだろうか。

大きく相場が動いたのは原因は、直言すれば、リーマン後の過剰流動性と、中央銀行主導の経済に慣れてしまった市場環境の白痴化だと思う。

この二つは相互作用。流動性の主役はAIになり、人間が値動きについていくには、近代史の経緯、あるいはもっと深いところで、人間社会の根幹を形成した宗教や哲学の重要性など、今の相場ではどうでもよくなった。

つまり政治よりも経済指標。このような相場のスタートは、経験からは冷戦終了からだ。加速されたのは2000年以降。アメリカでブッシュ大統領がアメリカ史上初のMBA出身者だったのは時代の象徴だったと思う。

しかし世の中は面白い。そういう時代の後、何が重要なのかを問いかけている。この騒動は、前述の二つの要因で相場が高止まりしているこの数年間、アメリカ一国支配によるグローバリゼーションのUNWINDが始まっていたこと。そしてそのことに準備する相場参加者の感覚が不足したことが露呈されただけ。

実体経済は直ぐには変わらない。しかし市場関係者やエコノミストの中には「未曾有の危機」が始まったなど言う人がいる。結果をやたらと煽ったり、共感で存在感を高めるのはこちらではプロの仕事ではない。

危機ならとっくに始まっている。ここではTHIS IS ITの始まりを二年前からいっているが、今日モハメドエルアリアンが似たようなことを言っていた。彼はTHIS IS ITを、T字交差点に例えていた。

 http://finance.yahoo.com/news/mohamed-el-erian-key-questions-regarding-brexit-eu-referendum-233441569.html

今の世界経済はT字交差点のクビ近辺まで到達した。このまま同じ方向に直進はできない。右か左のどちらかに行くしかない。右に行くには実需が重要だといっている。でもどうやって政治が実需を起こすのかは言っていない。そして逆に言った場合、管理相場が続き、デフレ脱却は難しいとしている。

結局はオックスフォードとハーバードで学び、PIMCOからIMFまで世界の要職をつとめるエルアリアンでさえ、経済は行き止まりまできたが、これからは明確に示唆していない。二極化のなか彼の立ち場は右。だが世界がどちらを選ぶかは未定だということだ。

ところで、さきほどユーロ2016で、人口5000万のイングランドが、人口30万のアイスランドに負けた。この衝撃は大きい。(個人的にもびっくり。だからこのコラムを書いた)

有料レターでは、国民投票で残留にかけるのは妥当。ただしレスターの優勝から何かが始まっている。まさかを準備しろと指摘した。この敗北も英国にとっては「まさか」。国民にとっての衝撃はBrexitの結果より大きいのではないか。(Brexitが出来ないまさか)

そしてこの試合でアイスランドで活躍したのがラグナー選手。ラグナーはブリテン島に攻め入った伝説のバイキングの名前(Ragnar Lothbrok) 。彼は途中で死んだが、孫達はアングロサクソンのイングランドを征服した。

その北海帝国のキング・クヌートが、ゲームオブスローンズのジョンスノーのモデルだと個人的には観ている。クヌートの後、同じバイキングから大陸の血(フランス)が入ったノルマンデイー公の征服王ウイリアム一世がディナリスなら、ドラマの終焉は近い・・





2016年6月22日水曜日

一番単純な構図

単純な構図



ヒラリー   or  トランプ

Bremain or Brexit




例1



                   例2
 







ここにきて日本でも英国の国民投票が話題。
相場関係者の中には、英国政治を取ってつけたような解説をしている。
それだけ今の相場には、国際政治の緊張感が欠けていたということだろう。
だが欧州の歴史は、一夜漬けで覚えられるほど単純ではない。


アメリカから見て、そもそも日本人の弱点は英語力ではない。
弱点は世界史に対する感応度。
もちろん日本が、日本から世界を見るのは厳しいハンディがある。
でもそんな条件でも、今からでも遅くない、若い人は勉強したほうがいい。
大学でローマ史を学ぶというようなはなしではなく、
もっと興味を持つこと。

個人的には、世界が今の姿になるまで一連の流れを、
映画などのビジュアル系で、まずは脳に印象ずけるのが効果的だと思う。
その時代に興味を持てば、映画から「本当はどうだったのか」という探究心が生まれる。
今はソレを調べるツールは十分ある。

いろんな時代。、
いろんな場所からの視点。
ソレを繰り返すうち、
次第に「大河」のように繋がってくるはずだ。

いずれにしても、明日の英国の結果がどうあれ、
今世界分断する二極化は仲直りしないだろう。
冷戦が終わり、中間層がユーフォリアになり(日本以外)
それが消滅した。

ということは、どちらかが完全に負けるまでの戦いは、
これからが本番・・


ところで、真マネー原理では、二回英国のリファンレンダムについて触れた。

( 参考)< 日本もリファレンダムを >
 http://marukano-gb.blogspot.com/2015/07/blog-post_5.html?m=1       


アメリカでも、英国の国民投票の後、大統領選が本番を迎える。
冒頭でヒラリーVSトランプを「よい人」VS「悪い人」のように扱った。
しかしこれは「偽善」VS「本音」と言い換えることが出来る。
本当は、ヒラリーが最も世界戦争に近いとするオリバーストーン。
 
https://libertyblitzkrieg.com/2016/03/31/were-going-to-war-oliver-stone-opines-on-the-dangerous-extremism-of-neocon-hillary-clinton/

全く同感だ。

    
    

2016年6月15日水曜日

弱い群れの行動学



昨日ストックボイスのワールドマーケッツでコメントをした手前、
有料読者にはお詫びをしつつ、補足のため、
特別に今日のTAKIZAWAレターを添付、、、。






昨日VIXは、3月以来となる200日線超え。
本来なら、ここから株を売りたくなるところ。
だが、BREXITやFOMCを控え、敢えてここはショートカバーが妥当。

なぜなら、今のアルゴはほとんどがKNEEーJERKを狙っている。
また10年のドイツ国債がマイナスになったのも一旦目標達成感。
今日の株はポジテイブで終わると見るべき・・

それにしても、MEDIAというのは本当に脅威だ。
事実と関係なく、政治に利用される度合いは、今も昔も恐ろしいレベル。

大統領選、BREXIT、メディアがPOLLを発表し、
後から国民がそう思ってしまう心理ゲームが、
あちこちで展開される。

そんな中、比較的冷静なのはマネーをかけた指標。
前回の大統領選も、メディア誘導で”ロムニー有利”
とされる時期があった。だがお金をかけたチャートで、
オバマがロムニーに負ける局面はなかった。
その意味で、BREXITの実勢は添付のチャートが参考。

余談だが、舛添問題も同様だ。
メディアがこんな小事を煽っている間にも
世界ではいろんなことが起こる。

東京五輪で使われた賄賂については、
日本のメデイアは敢えて触れないようにしている感。
しかし、金が渡った先は、ロシアのドーピング問題の中心人物でもある。

http://www.japantoday.com/category/sports/view/2020-tokyo-olympic-organizers-staying-away-from-bribery-investigation-politics

フランスは何を考えているかわからない。
また日本とロシアが北方問題などで近づきすぎると、
アメリカは困窮する韓国を救うためにも共催などの
難題を押し付けてくる可能性はないのか。

日本国民がメディア誘導の小事にかまっている間にも、
金融市場や国際政治での大きなリグは、
いつも日本を狙っていることを意識する必要あり・・。

いずれにしても、日本やドイツの敗戦国、
あるいはギリシャ・ローマの過去の国、
さらにスイスなどの中立国、
そして北欧の社会主義へ移行している国から
マイナス金利は浸透してきた。

こういう国は、過去を踏まえ、
既にいい人による、いい国を目指している国。
しかし、歴史で世界を牛耳るのは、強い国であって、いい国ではない。

ただこの250年、世界を牛耳った米英にも
確実にリベラル化の流れが浸透している。
その流れに逆行する最後の抵抗?も起こっている。

米英が利上げやEU離脱へ傾けば、
1000兆円のマイナス金利の債券はどうなるのか。
ここが崩壊すれば必ず株も崩壊する・・

BREXITでドイツ国債を買う行為は、
平和に慣れすぎた債券プレヤーの集団自殺になる可能性もある・・

2016年6月14日火曜日

小事への集中と大事への無関心 Facebookから

舛添知事のニュースを伝えるNHKは、大アマゾンで新種の猿の映像を世界で初めて伝えた偉業(リスクテイク)を成し遂げたメディアとは思えない低レベルの矛盾・・
激動の世界のなか、本来舛添問題など、取るに足らない小事。こんなことにここまでエネルギーを割くのは、国民の関心(都民の関心)が、この小事に集中している現実。更に安倍政権の任命責任を舛添氏個人になすりつけることで、選挙民の関心をそらす古典手法を延々とやっているのだろう。
もし舛添氏に能力があるなら、なぜそれを試させないのか。クビにするのはその後でも遅くはない。アメリカは社会悪のマフィアでも、第二次世界大戦の大事では、彼らの持つ機能を優先しイタリア侵攻を成功した。この相対性で、日本の天皇制は維持され、今の日本がある。
そんなことも知らず、日本のメディアがこんなレベルにいるのは、戦後、国防をアメリカに頼ってきた日本の異次元のユーフォリアの産物というしかない。世界は小事でのミスより、大事での大仕事を期待して人を選ぶ。なぜなら、それだけ世界は常に緊張しているからだ。小事への集中と大事への無関心。この日本のレベル、、GOOD ON YOU

2016年6月7日火曜日

 悪いKILL 良いKILL 勇気あるKILL

今の民主党のオバマ政権によれば、


                原爆は”悪いKILL”



              
               ドローンは”良いKILL”
            でも、http://www.imdb.com/title/tt3297330/ (IFC作品)


             

            

             昔のアメリカは”勇気あるKILL”
          


真マネー原理で毎年6月6日に必ずUPしたアイゼンハワーの檄文。

http://marukano-gb.blogspot.com/2014/06/blog-post_7.html

http://marukano-gb.blogspot.com/2013/06/blog-post_7.html

この頃のアメリカは、精神的にも、物流的にも、デフレなどなかった。


相対的に善悪を決めるのはリベラルの特徴。
良いKILLも、悪いKILLも、巻き添えはある。


先週ビル・グロスが、資本主義と長期のマイナス金利状態は両立しないといった。
そんなこと、ここではリーマンの前から言っている。

ボーガスが蔓延すると、デフレも蔓延する。
1%がいくらヒラリーやトランプを応援しても、
自分は戦争にいかず、
バーニーサンダースも認めず、
いつまでもボーガズな資本主義を満喫できるほど
万物の原理は甘くない。
     
     デイオブレコンの前に      
           ハトばかりになった後の世界の行く末も、           
そろそろイメージした方がいいだろう。