ゴゴジャンTakizawa レター

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ビックピクチャーとマーケットのメカニズムは車の両輪

2017年3月20日月曜日

グレイチャンピオン 良い人は偉大な人になれるか


        


良い人と偉大な人。
ステイーブ・ジョブズ氏の存命中から、
彼の特集を組んだローリングストーン誌でテーマになっていたのが、
良い人は偉大な人になれるか。( Aラスコーキン氏)

一部アスペルガーの疑いさえ持つ人がいるジョブズ氏だが、
もし彼が世間で言われるところの「良い人」の延長だったなら、
アップルは生まれなかったと言う考え方だ。

今の日本では、「偉大な人」の前提に、「良い人」がある。
例えばノーベル賞受賞者は、人間的にまず優れている雰囲気。(知る限り)

アメリカの歴史にはその前提を全く感じないが、
近年「良い人」が重要になってきたのは、
アメリカの都市部のリベラル化が進み、
だんだんと日本人の感覚に近くなってきたからだろう。

このブログでは過去 wisdom of crowd とbrilliance of greatnessの違いを触れてきた。
大統領選は、ヒラリーの取り巻きが前者の価値観で支配されていたのに対し
トランプの参謀は、後者の価値観を演出することに長けていた。

ではトランプ大統領は「良い人」でなくとも、「偉大な人」になれるか。
4thターニングの著者のニールハウ氏によれば、過去の激動期の主役のなかで、
初代大統領のワシントン 南北戦争時のリンカーン 第二次世界大戦のルーズベルトは
グレイ・チャンピオン(Gray Champion )だという。グレイチャンピオンとは、
次の時代の基礎を築いた卓越したリーダーをいう。

アメリカ以外の例もふくめ、後にグレイ・チャンピオンになった人の共通項は、
当時、その人がリーダーになるとは誰も思っていなかったということ。
直前までの蓄積された常識では、
あたらしい時代の先駆者にはなり得なかったということだろう。

日本社会では致命的な支払い不履行(デフォルト)でトランプは60回以上訴えられた。
ビジネスの破産処理は4回。それでも個人破産は免れ、
最後は大統領にまでなってしまった。

これは何かの能力であることは間違いない。
ただ彼がグレイチャンピオンになるには、
セオドアルーズベルト以上の大変革をアメリカに齎すしかないと思う。

本当は既存の「右」と「左」のどちらでもないトランプにしか出来ないこと。
例えばサンダースでさえ躊躇する学生ローンの国家の肩代わり。
或いはテイーパーテイーしか言わない中断したままの金本位制の復活。
(注 ニクソンは復活を条件に停止、それがいままで継続している)

市場関係者のトランプ経済への期待がミラージューであることが
そろそろ証明されることになるはずだが、トランプ劇場の本番はそこから

その前に、日本の安倍さんがグレイチャンピオンになるなら
今のスキャンダルは普通に乗り越えるはず。
乗り越えないなら、安倍さんはグレイチャンピオンにあらず、、

  

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