https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-08-03/is-gary-cohn-a-good-pick-to-head-the-fed
< 2017年2月1日のTakizawaレター抜粋 >
このFOMCの結果は、二日間も一体何をしていたの?と聞きたくなる内容。
学者集団とはいえ、直感ではあまりの相場観の無さに驚き。
QE時代、FEDは意図的に利上げにむけての「から元気」を言い続けた。
今のFEDは後2~3回利上げをしたいのが本音のはず。
にもかかわらず、今日露呈された行動力では、(ステートメントの中味)
利上げなどできないまま、次の下降トレンドになるか、
あるいはイエレンでさえ心配するシナリオ、
カーブに遅れ、急激な行動に迫られ、
結局、望んでいない結果になるパターンを想定するしかない(1937年型)。
こういう様をみると、
トランプがGSからCEA長官にゲーリーコーンを入れたのは、
学者だらけのFEDの大改革を前提に、彼をイエレンの後釜に据えるためという、
最初はありえない、突拍子もない、と思った噂に現実味を感じる。
そもそもWSでは圧倒的な頭脳集団のイメージのゴールドマンサックス。
だがコーン氏の最大魅力は、その体育会系の馬力だったとされる。
元々鉄鋼会社へ入ったコーン氏は、早々にそこに見切りをつけ、
NYマーカンタイルのピットに飛び込んだ。
社員研修でNYのマーカンタイルを見学したコーン氏は
大男がひしめき合うトレーデイングピットに感動、
そのままオプションピットの親分に自分を売り込んだ。
翌日の正式な面接の際、
オプションの知識などまったくないにもかかわらず、
一夜ずけの知識と張ったりの迫力で仕事を得たという。
小学生のころ、平均的な子供に比べ
国語力が遅れていることで、コーン氏の担当教師は、
将来は腕のいいトラック運転手を目標すのがベストの選択ではと親に進言したという。
http://nextshark.com/heres-the-ballsy-move-that-got-goldman-sachs-number-2-man-his-first-job-on-wall-street/
そのコーン氏がピットトレーダーからGSの筆頭社長になれたのは
ゴールドのセールスマンからGS会長になったブランクファイン会長とのめぐり合わせ。
90年代にGSはこぞってフロアーオペレーションの会社を買収。
その会社の中にブランクファイン会長とコーン氏がいた。
ブランクファイン会長はそれでもハーバードでマスターを取っている
しかしコーン氏はこちらでは一流扱いされないアメリカン大学の学士だけ。
そのコーン氏がGSで出世できたのは、目標を達成できない部下に対しての
"強烈な指導"だったことは、WSJでも取り上げられた。
いずれにしても、今はあのトランプが米国の大統領だ。
そしてあのバノンがその政権のストラテジスト。
それだけではない。世界で250万人の女性が反トランプの大行進をした翌日、
民主主義などもう辞めて大統領令だけにすべきとコメントしたピーターテイール。
彼はトランプ政権のハイテク業界への指導で多大な影響力をもつ。
アメリカの政権がこのような強烈な個性集団なら
次のFED議長がゲーリーコーンだとしても驚かない。
その場合、戦後ずっとFEDの下にいた金融村の学者型エリートは
心の準備をしたほうがいいかもしれない。
そんななか、イエレンは昨年までのトーンをすこし変えた。
財政と金融の共同作業の必要性をトーンダウンしたのだ。
恐らく、彼女はアニマルスピリッツが点火された状態で
トランプが財政出動を実行する場合、(インフラ投資)
既にジャブジャブの流動性はどうなるか。
急に恐くなったのだろう。
オバマ政権下ではFEDがいくらQEをしたところで、たちまち資金は凍りついた。
FEDのバランスシート拡大に比例しながらも、
氷の塊のままm2まででとどまっていた資金が
トランプによって解凍を始めたらどうなるか。
予期せぬインフレ対応で、マーケットが脱線するのを
恐がり出したような雰囲気だ。(急騰の後の急落)
結果、何もせずステートメントもどこかびくびくしている。、
こういう時代なら、個人的には、
ゲーリーコーンFED議長を見てみたい。