結婚した頃のヒラリー
ビルの裏切りを知っても彼を支えるヒラリー
オバマ政権を退いた頃のヒラリー
ずっと「トランプが勝つ」といってきた。
だが、もし自分に投票権があれば、
バーニー・サンダースに投票していた。
ヒラリーとトランプなら、日本のためにはトランプがいいと思った。
ただ彼が勝つ可能性を真剣に考えたのは、
100年間で2度しか大統領の選択をはずしていないVIGO郡が
昨年12月、トランプを選んだことを知ってから。
ジンクスを信じたからではない。
人口動態的にアメリカの中心に近いVIGO郡がトランプを選んだ理由。
それはビジネスに支配されたワシントンのチェンジだったからだ。
これはクリックした。
結果的に、またもヒラリーを応援することはできなかった。
ただしヒラリーが嫌いだったわけではない。
今激闘が終わり、彼女の政治家としての野望も終わりだろう。
ただ”嫌われている”とされたヒラリーの名誉はできれば回復したい。
トランプのこと知らないように、多くの日本人は
ヒラリーのことも本当はしらないと思う。
個人的には、ヒラリーはチャーミングな女性だと思う。
地元の高校生で、女性共和党クラブをつくり、
リベラル思考に転向した大学では
福祉や女性問題でリーダーシップを取った。
そしてイエールの法科でビル・クリントンと知り合い、
卒業後、ビルがアーカンソーで政治家をめざす一方、
彼女はワシントンで弁護士になった。
時はウォーターゲート事件の真っ只中。
ヒラリーはニクソンを起訴する民主党のチームのスタッフに抜擢された。
そしてワシントンで、未来の有望な女性リーダーと期待されるようになった頃、
彼女はそのキャリアを捨て、ワシントンを去る決断をする。
理由は、「ビルが私を待っている」だった。
彼女は荷物をまとめ、ビル・クリントンのいる
度田舎のアーカンソーにいくため、車のハンドルを握った。
その時、ワシントンで先輩だった友人の女性は、
引越しの手伝いを申し出たという。
アーカンソーまでの二日間の行程の間、
ヒラリーの横に座り、さりげなくヒラリーに翻意を促すつもりだったからだ。
しかしアーカンソーに到着すると、ヒラリーは彼女に言った。
「ここまでありがとう。でも私はビルを愛している」
CNN ドキュメンタリーunfinished business より
そして結婚したのもつかの間、
若くしてアーカンソー知事になったビルは再選に失敗する。
この時、なれない土地で、失業したビルを支えたのはヒラリーだ。
学校の先生、地元企業の顧問弁護士、友人にもお金を借りたという。
そしてちょうどこの頃、彼女は名前をクリントンに変えている。
それまでは夫婦別性の急先鋒だった。
そして知事に返り咲いたビル・クリントンは、
大統領を目指し、参謀にDモリス氏を迎えた。
モリス氏はいうまでもなく、今回の選挙で、
トランプにヒラリーを倒す戦略を提供した張本人。
(選挙チームには入っていないが、外部アドバイザー)
大統領になったビル・クリントンは
モリス氏の「サッカーマム戦略」が功を奏し、再選に成功した。
しかし、その後モリス氏はクリントン一家と決別した。
個人的には、この頃、愛人問題で苦境の落ちたビルを支えるヒラリーが忘れられない。
謝罪会見に臨むビル・クリントンに寄り添うヒラリーの姿は、
その後、似たような境遇に落ちた政治家夫婦のモデルになった。
そして、満を持して望んだ2008年の大統領選挙。
今よりも若く、人間としての魅力もピークだったヒラリー。
自分も含め、多くが彼女がアメリカ初の女性大統領になることを疑わなかった。
ところが、その時、突如、オバマが現れた。
2008年の予備選は、今回の大統領選に並ぶか、
中味的には、それ以上の激戦だった。制したのはオバマだった。
Unfinished Business が残った。
オバマ政権に国務長官として参加したものの、
体力の衰えを隠せなかったヒラリー。
PCの操作もあまり好きではなかった。
オバマ政権の国務長官を一期4年で退いた時は、
ふっくらとした風貌からは、もう一度、
大統領選にチャンレンジすることは決めていなったと思う。
しかし彼女がそのまま引退してしまうのを、
ビル・クリントンの取り巻きは許さなかった。
取り巻きは、ヒラリーが2008年より”弱い”ことはわかっていた。
だから、周到に準備をした。しかし結果的にこの頃の準備が、
後にWIKILEAKSによって暴かれることになる。
このようにして再び大統領選に挑んだヒラリー。
老いた彼女からは、周りの利益の代弁者のような影が付きまとった。
彼女は若者から、「嫌われ者」になってしまった。
究極的には、ヒラリーの出馬は、民主党の人材不足を露呈していた。
オバマがヒラリーの前に大統領になってしまった悲劇。
本来なら、2008年にヒラリーが大統領になり、
NYの司法長官だったエリオット・スパイザーあたりがいて、
オバマと競うような世代交代が理想だったはず。
しかし、ヒラリーより若いジェネレーションXからオバマが出てしまうと
今の民主党に、次を担う「顔」は見当たらなくなった。
有力候補だったはずのスパイザーも、
トランプとも仲のいい刺客のロジャース・トーンらによって
政治生命を絶たれていた。
古いレターの読者はご存知の通り、2000年以降、
ビジネス上、アメリカの大統領選の予想を外したことはない。
2008年のヒラリーとオバマの勝者を予想するのは、
今回よりも難しかった。
幸い今回もトランプが勝った。
そして次の大統領の予想は簡単だ。ほぼペンスで決まりだと思う。
彼は有能な人。トランプが彼を選んだことは、
勝利を呼び込む要因の一つだったと思う。
いずれにしても、ブッシュ一族が去った共和党には、
40代のルビオやクルズ、さらに下院議長のポール・ライアンもいる。
19世紀の半ば、それまでのホイグ党が、リンカーンの共和党に生まれ変わってから、
共和党は60年近い隆盛を誇った。(ウイルソン大統領まで)
もし劇薬のトランプが上手く機能すれば、再び共和党は生まれ変わるかもしれない。
一方前述のモリス氏は、トランプが共和党の代表に決った直後から、
民主党候補がバイデンやバーニーなら、トランプに勝ち目はない。
だが、ヒラリーなら勝てるチャンスはあるといっていた。
バーニーサンダースの選挙戦を邪魔し、
バイデンの出馬を諦めさせたクリントンの取り巻き。
主要メディアは、この頃からクリントン一派に魂を売っていた。
もちろん勝てなかった責任は、ヒラリーにあるのだろう。
でも、とても民主的ではない手段で担がれた時から、
彼女の負けと、民主党の凋落は決っていた可能性。
勝負事とはそんなもの。そこがどうしても物悲しい。
センチメンタルなど、有能なヒラリーには失礼かもしれない。
でも”嫌われ者”のレッテルのまま、終わってほしくない。
日本でも、いつかこのドキュメンタリーが紹介されることを望んでいる。
https://www.youtube.com/watch?v=cAB4-AFYm_0」
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