ゴゴジャンTakizawa レター

ゴゴジャンTakizawa レター
ビックピクチャーとマーケットのメカニズムは車の両輪

2016年12月31日土曜日

年末特集 大河ドラマの楽しみ方


     

本当はまだ誰もわからないトランプの正体

                                   
            結局ダースベイダーは悪のなか善なのか




NHKのドラマの相場観は、
バイアスの中の金融市場の専門家にはない未来へのヒントがある。
今年の大河「真田丸」にも、終盤の大阪城籠城をめぐる駆け引きには
現代に通じる重要なテーマがあった。

結局大阪城への籠城は豊臣の命運を変えたのか。
ここではインフレを起こすために中央銀行がマネーをするのは、
結果的に戦う意欲をなくし、デフレの深み嵌るだけとしてきた。
まさに籠城策。それはトランプの登場でわかったはず。

また家康のストラテジーの老獪さと、論功行賞でのフェアは重要なコントラスト。
政治でも経済でも、歴史を変えた英雄はここを抑えている。

そして来年スタートのトランプドラマはどうだろう。
配役は、30年前のレーガンドラマでチョイ役だった役者を使い、(経済スタッフ)
外交は、ニクソンドラマのシナリオを勉強している。(キッシンジャーなど)
まあ個人的には、視聴率はせいぜいGWブッシュ並を想定している。(株価)

一方アメリカという国の現状は、
昨年末から、「スターウオーズ」という大河ドラマで語ってきた。

平和と協調のグローバリスト。率いるレイア姫はヒラリー。
一方で怒りと恐怖というオーダーで秩序を維持する帝国軍。
ダースベイダーはもちろんトランプ。

そして、大半には予想外だったトランプ勝利後の年末、
雰囲気は、1980年公開のシリーズ第二作、「帝国の逆襲」後に似ている。

この作品では、ヨーダが登場し、ジェダイのルークを鍛えた。
だがダースベイダーにはかなわなかった。
終盤「怒り」の世界へ導かれそうになったルークは、自分で身を投げる。
そしてハンソロは捕まり、蝋人形にされたところで映画は終了した。

1980年当時、高校生で観たこの終わり方に戸惑った。
そして作品が公開された1980年のレーガン旋風を模倣したトランプ。
反乱軍の中心、レイア姫役のキャリーフィッシャーの訃報。
ヒラリーを応援したグローバリスト、そして世界平和と協調の若いミレニアルには、
”正義が悪に負けた”苦々しさが漂っている。

ただ大河ドラマは続く。
トランプが選挙での約束を果たすなら、
それは1%のために、金融市場をメルトアップさせるのではない。
99%のための本当の経済を復活させること。

米国内に工場はもどるが、輸出は減る
消費者は米国人が米国で創った高いものを買う。
ソレをカバーするだけの賃金上昇があるなら、
それは企業の利益が労働者の利益に変わると言うこと。

これでインフレが起こらないなら、それはそれでアメリカは死に体。
一方でインフレが起こり、中央銀行が慌てて利上げをするなら、
前政権で生み出された巨大な流動性はイカロスの翼を溶かすだろう。
だが市場はまだその恐さをしらない。


 デフレ期間のベロシテイー


       突如のアニマルスピリットの復活でこの巨大な流動性はどうなる


マーケット参加者の多くはヒラリーが勝った州に住んでいる。
(NY ボストン マイアミ シカゴ LA)

彼らは選挙戦の予想を間違えた失敗を、
次は一方的なトランプへの期待の買いポジションで修正した。
結果、今の株価はトランプ政権の4年間ベストシナリオを、
4週間で織り込んだ状態。

冷静に観察した現状は、今の段階で来年の株に強気なのは、
トランプ勝利を予想しなかった金融市場の大半の人々と
元々トランプ陣営で戦った人。

ソレとは別にトランプとヒラリーのどちらにも属さず、アメリカの現状から、
ヒラリーの選挙戦では、トランプに勝てないことを客観的に予想した人。
知る限り、この中で、来年の株に強気な人は誰もいない。


        政権の顔ぶれで反応した株、でもトランプ政権の正体は?


そして、この二極化の世界情勢の大河ドラマはまだまだ続く。
クリントン勢力が去り、反乱軍(民主党)は、
サンダースやエリザベスウオーレンが中心になっていくはず。

個人的には、トランプはそのときに保守ではない本性を現すと予想する。
その時は彼は帝国を裏切ることになるが、
実現性は最重要ポストのバノン氏の今後の処遇で判断できるだろう。

いずれにせよ、トランプの役割はそこで終わるかもしれない。
ダースベイダーは、その次の作品のリターンオブジェダイ(1983年)で仮面を取り、
ルークを助けて自分は死ぬ。

もしトランプそのリスクをとらないと、
どちらせによ、オハイオ ミシガンやペンシルバニアで
彼を支援した99%を裏切ることになり、
彼の再選はないだろう。


2016年12月25日日曜日

強い馬(三冠馬)と強い株の関係


          

           空前のバブルの前のミスターCBとルドルフ

          


         

        バブル崩壊から回復を模索した頃のナリタブライアン





               小泉改革の頃のデイープ





             アベノミクスとオルフェーブル



株が強くなる頃、必ず強い馬(三冠馬)が出た。
なら次の三冠馬は、いつ出るのだろう。


2016年12月15日木曜日

日本人が「今年の顔」になれない理由












安倍さんはプーチンと逢う。
もし二島でも返還に目処が立つなら、
素直に安倍さんの努力は評価すべきだと思う。

そもそも日本は敗戦国。
アメリカの政策のおかげで4分割されずすんだだけ。
というよりも、スターリンが北方領土だけでなく
北海道まで意欲を見せなければ、
アメリカは敗戦国の日本の領土を
そこまでして守る必要はなかったかもしれない。

そして、もし連合国側の主張通り分割されていれば、
冷戦が終わったあとも、元通りなるのは大変だっただろう。
ベルリンの壁が崩れた後、東西のドイツの再統合に最後まで反対したのは、
民主国家のはずのイギリスのサッチャー首相だった。
サッチャーは、「ドイツは分割しておかないとまた必ず欧州を支配する、、」と
ヒトラーのいないドイツへの警戒を怠らなかった。

これが世界の厳しさ。

スターリンは、ヒトラーから不可侵条約を一方的に破られ、
日本の戦死者の8倍の犠牲を払ってヒトラーを撃退した。(二千万人)
そしてテヘランでのチャーチルとルーズベルトの談合の上で、
北方領土を支配した。

そのルーズベルトのアメリカに、
国防でしがみついている状態でプーチンに4島返還?
国際条約云々を言う前に、
独立国として沖縄問題を解決し、(米軍を返す)
戦後なしくずし的に続いている日米安保条約を破棄し、
世界に向かって日本が本当に独立国になったことを証明いしないと、
世界は相手にしないだろう(ロシア中国だけなく、アメリカ人も、、)

ところが、日頃威勢のいいこと言っているネトウヨ・タレントが
日本は自分で守るより、米軍がいた方が「安上がり」などと言っていた。
国防が安上がり?これで右翼?これでも保守?

いざとなったら、日銀がいくらでもヘリコプターを出せばいい。
ただし、それは日本に日露戦争のときのような覚悟があって可能なこと。
覚悟無く、ヘリコプターを出したら必ず日銀は叩かれる。

そして、トランプは、ニクソンの逆をやろうとしている。
ニクソンにとって最大の敵はソ連だった。
だから二番手の敵だった中国を懐柔した。
状況が変わった今、当面のトランプの敵は中国。
だから、次の敵のロシアを懐柔している。
また日本は素通りだろう。

それでも今の世界の時勢で、
長期の安定政権は国家のメリット。
日本を代表する安倍さんが、
タイムの表紙の男たちにバカにされないように、
そろそろ日本国民が強くなる必要があると思う。
だからこそ、ネットでおかしなネトウヨタレントを使い、
中途半端に、国民の「ガス抜き」をするのは止めた方がいい。



 


以下は12月7日TAKIZAWAレター<第一次世界大戦が本当に終わった日>から抜粋

「、、、TIME誌がトランプを今年の顔に選んだ本日12月7日は、
アメリカには別の意味では重要な起点だ。
75年前のパールハーバーから、
一気にアメリカは頂点に駆け上がる。
完成したのはベルリンの壁が崩壊した1991年だ。

ここですこし普通の日本人のイメージを修正すると、
第一世界大戦は、98年前の1918年11月11日、
ドイツと連合国の間に停戦協定が発足し、戦闘が停止した。
アメリカが参戦し、ドイツは戦況が不利になったのに加え、
前年のロシア革命の影響で、ベルリンの大半が共産圏に組み込まれたことで、
ドイツは停戦協定を飲まなければならなくなったからだ。

ただしその時点ではドイツは戦闘面では完全敗北ではなく、
フランスの大半はドイツが占領していた。
しかしドイツは半年後パリ平和会議で
屈辱的な条約を飲まされた。

このとき、「自分たちは負けたわけではない、、、、」
特に、アメリカ以外の英仏ソに対するドイツ人の内心の怒りが
ヒトラーを生み出す。

そのアメリカも中途半端だった。
この頃から米国は、民主党は英仏より、
国内最大の移民勢力だったドイツ移民を母体にする共和党は
どちらかというとドイツよりだった。

そして共和党が上院を支配すると、
自国のウイルソン大統領(民主党)が提案した平和条約を、
ドイツのぺナルテイーが重過ぎるとの理由で、
米国の上院は批准しなかった。
結果的に国際連盟は骨抜き。
第二世界大戦の種が撒かれた。

ヒトラーはこのときのアメリカをイメージし、
アメリカは参戦しないと勘違いした。
しかし、民主党のルーズベルトは、
結局チャーチルを選ぶ。日本はその材料にされた。
それがパールハーバーだ。

いずれにしても、第一次世界大戦が本当に終わったのはいつか。
前述の様に、第二次世界大戦は第一次世界大戦と繋がっている。
そして第二世界大戦では、ヒトラーを倒すには、
米英はどうしても、スターリンのソ連が協力が不可欠だった。
結局ソレが、ソ蓮と共産主義の勢いを拡大した。
冷戦はその後始末である。つまり、ずっと繋がっている・・
これが日本では教わらない世界史。
その意味で、第一次世界大戦が本当に終わったのは
1991年、ベルリンの壁崩壊(ソ連崩壊)。

この長い戦いの勝利を完成させたレーガンの
再来を自認するトランプが、タイム誌によって持ち上げられたなら、、、、」



2016年11月29日火曜日

未来の不安を楽しむヒント


https://www.washingtonpost.com/news/worldviews/wp/2016/04/15/how-christianity-and-islam-took-over-the-world-in-90-seconds/?tid=sm_tw

週末、YOUTUBEで「トランプのアメリカ」を議論する「朝までTV」を観た。https://www.youtube.com/watch?v=nzHeCRkmqR8&t=985s

ゲスト中ででは、中国系の人が、最も今のアメリカを正確に把握していた。そして、国政政治学者の若い女性は、優秀がゆえに、「正解」はこうだというパターンに固執していた。まさに、ヒラリーを囲んだイスタブリッシュメントと同じだった。

米国の実社会に正解などはない。アメリカは、建国以来、主人公は個人。アメリカの個人には、国を自由に造る、あるいはつくり変える権利がある。それがアメリカの基本。一方日本は、建国以来、主人公は国家だと思う。違いは、戦前までは国の中心に天皇がいて、戦後は、国の外枠にアメリカの防波堤があった。その囲い中に生まれたときから、日本人は、国家へのアジャストを強いられてきた。

http://marukano-gb.blogspot.com/2012/11/blog-post_12.html

それゆえか、いわゆる国内のネトウヨ系は、コアの天皇と、アメリカの外枠で理論を構成する人が多い。だがそういう人々がアメリカを語ると、最初に間違えるのは、アメリカ人は何を求めているかだ。

トランプが勝ったことで、次のアメリカを必死に探るのは、そこに答えがないと、大半の日本人は不安になるからだろう。でもトランプ政権の役割は現状の破壊だけでいいのだ。その先のことなど、きっとトランプに投票したアメリカ人でさえもわからない。

ただし、こちらの賢者は、世界史のサイクル性を知っている。ここが年表のような直線的な日本史との違い。トランプの懐刀の バノン氏は、4thターニング論の信奉者である。

http://time.com/4575780/stephen-bannon-fourth-turning/?xid=tcoshare

結局はこれまでとは違う未来に不安を感じるのか、あるいはワクワクするのか。日本人の世界史への柔軟性が試される。しばらくはピンチかもしれないが、最後はアジャストする能力。個人的には日本人にはその底力は十分あると思う。





<参考>

日本はトランプ政権にどう対峙する =TPPの行方と、米経済政策の読み方は?=
                     Agrio 0135 号(2016/11/22)から

https://web.mail.comcast.net/service/home/~/?auth=co&loc=ja&id=1213638&part=2


トランプ氏が大統領に選ばれて2週間が過ぎた。日本では環太平洋連携協定(TPP)がどうなるかで 持ちきりのようだ。Agrio4月19日号で、TPPはオバマ政権にとって貿易交渉というより、21世紀のアジアに おける米国の戦略的ドクトリンの意味合いが強いとした。
そして今回の大統領選挙では主要な候補者がTP Pに反対していたこともあり、誰が勝っても、オバマ政権の思惑は頓挫する可能性が高いと予想した。

 ◇トランプは平成の黒船か?

 結果はその通りになったが、トランプ氏は、TPPは否定しても反貿易主義 者ではない。彼は米国に有利にならない「ディール」に反対しているだけだ。さらに 議会は上下両院とも共和党の支配が続く。ということは、彼らは中身を米国優 位に変え、必ず再交渉を迫ってくると考えるべきだ。ただ筆者はそれには脅威を 感じない。オバマ政権のTPPは、欧州との環大西洋貿易投資連携協定 (TTIP)、新サービス貿易協定(TiSA)との三点セットの色彩が強 かった。しかしBrexitとトランプ政権誕生でTTIP交渉も終了、脅威だったTi SAに日本がなし崩し的に引き込まれる危険はとりあえず去った。 一方で共和党は、表向き中国を敵視しながら中国との貿易をやめるつもりは 無い。日本もTPPのような政治的ドクトリンによるブロック化で、47%の貿易 圏と引き換えに、そのほかの53%の貿易圏で不利益をかぶる可能性は回避され たと喜ぶべきである。そもそもTPPに自由貿易という意味の英語の言葉は入っていない。

この状況は幕末に似ている。英国、フランスは米国より先に日本でビジネスを始めた。欧州列強のやり方は、 まず商売で権力に入り込み、頃合いを見て内紛を起こさせる。そして武器を売ってどちらかを勝たせる。こういう 思惑で欧州列強はアフリカからインド、さらに中国にまで入ってきた。日本も危なかったが、そこに遅ればせながら 中国貿易に参戦するため、日本に足場を求めて黒船が突然やってきた。びっくりした日本が覚醒してしまったの は、当事のグローバリストの欧州には予定外だったと思う。トランプ政権の誕生は衝撃だが、見方によっては、彼 は平成の黒船でもある。

 ◇「TPPからの撤退」の日本への意味

ではそのトランプ政権の姿はどんなものになるか。こちらでもまだ見方は定まっていない。新政権の人事はペン ス次期副大統領が担当する。ペンス氏はワシントンの人脈もある。省庁のトップ人事は既存の共和党勢力と の関係を重視したものになる可能性が高い。その意味ではこれまでの共和党政権とそれほど変わることはない だろう。一方でホワイトハウスのスタッフの人事は別。ここはトランプ氏本人の意向が強く反映される。 米国ではニクソン政権以後、政策決定の主導権は省庁からホワイトハウスへ移っている。トランプはその要と なる首席補佐官に共和党の幹事長の立場のラインス・プリーバス氏をすえた。一方で選挙参謀だったスティー ブ・バノン氏をアドバイザーに据えた。ポジション的にはプリーバス氏が上だが、実務で忙しいプリーバス氏よりもバ ノン氏の考え方がトランプ氏に与える影響の方が大きいと考えるべきだろう。そのバノン氏は臆することなくレーニ ンを信奉しているといい続けた人。共産主義を主張しているのではない。政党に関係なく、エリート層が国を支 配する構図が間違っていると主張したのだ。

 トランプ氏は就任後、まず国民と約束した「最初の100日計画」を実行しなければならない。この計画は、 選挙戦終盤、最後のテレビ討論の直後の10月22日、わざわざペンシルベニア州のゲティスバーグまで行ってぶ ち上げたものだ。ゲティスバーグは有名な南北戦争の激戦地だ。負けていた北軍(共和党)は、この戦いで 勝利、そこから一気に南北戦争に勝利した。

今回の大統領選でもこの歴史は繰り返された。 改めて、100日計画の中身に目を向けると、テーマは大きく次の三つに分かれている。①ワシントンへの信頼 回復②雇用の回復③国防力の回復―そしてそれぞれが、具体的に5~7項目に分かれている。ざっとみて日 本に関係するのは「②雇用の回復」の2番目の項目である「TPPからの撤退」だ。今の時点で、オバマ政権 は残りの期間でTPPを議会で通すことは無理だとしているので、トランプ氏がいずれどのような再交渉を迫っ てくるかを見極めるしかしない。

◇米中西部での既存政治家と大企業への怒り

今、いろいろな人が「なぜトランプ大統領が生まれたか」の検証をして いる。この点について、金融市場のストラテジストとして整理しておきたい のは、トランプは誰と戦ったのかであり、それは、①クリントンの民主党② 共和党保守派③エスタブリッシュメント④大手メディア―の四つだ。 筆者はストラテジストとして、1年前から雑誌などを含め、「トランプが 勝つ」と言ってきた。トランプ勝利の可能性を最初に考え始めたのは、 昨年12月、ワシントンで政治を扱うPolitico誌が、インディアナ州のVIGO郡の住民が、その時点で次の大 統領にトランプ氏を選んだことを紹介してからだ。 実はVIGO郡からミズーリ州セントルイスにかけてが、現在の米国のMean Center(人口分布図の中 心)である。ビッグデータの観点で全米の縮図であり、VIGO郡は過去100年以上にわたり、正確に次の大 統領を当ててきた実績がある。そしてここが今回トランプを選んだ理由は、ワシントンの既存政治家と、彼らを支 配する大企業への怒りだった。

 ◇中途半端なウォール街の強欲への懲罰の結果

筆者は1993年に渡米して以来、ずっと米国の政治と経済を眺めてきた。株価が史上最高値を更新しても、 本当の意味で米国経済は2000年のころピークを越えていないことも観察してきた。2000年頃までは、株価と 国内総生産(GDP)は一体であり、誰もがそれなりに経済成長の恩恵を味わっていた。しかし自然な成長 が終わると、共和党の保守派はイラク戦争を始めた。株価は上がったが、その裏で生まれたバブルが崩壊したの がリーマン・ショックだった。 そのショックを民主党が中心になって回復に努めた。当初、オバマ大統領本人は、まず問題を起こした金融 を罰することを優先しようとした。しかし株価が下がると、クリントンを取り巻く民主党勢力はオバマを説得し、ウォ ール街、つまり金融業界の行き過ぎた強欲への懲罰は中途半端になった。 そして経済の具体策を担当するワシントンのエスタブリッシュメントはマクロ経済の数字を優先し、金融機関と 株式市場の救済に特化した。それが、ブルッキングス研究所主導のグローバリゼーションと、マネタリストが中心 になった米連邦準備制度理事会(FRB)による金融緩和政策である。

結局、その政策で潤ったのは、金 融の中心地のニューヨークやシカゴ、そしてあり余ったおカネが殺到したカリフォルニアのハイテク関連業界だった。 今回これらの地域では多くがヒラリーに投票したが、選挙で敗北が待っていた。 その延長で、トランプ氏が誰を財務長官にするかが注目だ。市場では最初にJPモルガン・チェースのジェイ ミー・ ダイモン最高経営責任者(CEO)の名前が出た。ダイモン氏は優秀な銀行経営者だが、ビル・グロ ス氏やスティーブ・ジョブズ氏のように、何か新しい価値を生み出したわけではない。それにもかかわず、リーマン・ ショック後、ダイモン氏の保有する自社株の価値は1000億円を超えた。もし本当にダイモン氏が就任するなら、 トランプ氏に投票した多くは裏切られたことを意味する。ただ、どうやらダイモン氏はリストから消えたようだ。

 ◇歴史の意味と経済学者の役割

最後に、日本でも識者といわれる人々が、今回の結果に驚きのコメントを発し、テレビなどで予想が外れた 反省のコメントをしている。だが、そもそも今の日本のエリートは、検証は得意だが、予測は苦手だと思う。米国 の傘下で、「予測」というリスクテークの仕組みが極端に少なく、訓練する場がないことが一因だろう。 また日本のような島国では、ずっと日本史だけで十分だった。戦争で米国に負けた後も、米国の後を追い、 一生懸命働いていれば、時代のサイクルからさほどずれなかった。ただそれだと、日本史は、年表のような「ライナ ー(直線)」で考えれば済んでしまう。しかし大陸では、歴史とは今の「地理」になったプロセスのことだ。つまり 地理こそが歴史だ。そこでは歴史は渦を巻いている。米国はさまざまな人種や文化が集まるので、偏見を避けるために高校までの歴史教育はシンプルだ。しかし 世界の縮図である米国のエリートは、驚くほど歴史に精通している。こういう人たちを相手に、日本人がグローバ ルな交渉をするのは極めて大変だ。歴史を学ぶことから逃げてしまうと、結局は米国を頼るしかない。

金融市場でも、起こったことを解説するアナリストやエコノミストはあまたいる。だが先を予想するストラテジスト は少ない。ビジネスとしては効率的ではないので当然だが、大統領選挙終盤に、多くのノーベル賞受賞者を含 む100人の経済学者が、連名でトランプ氏の経済政策は(ヒラリーの経済政策に比べて)ひどい内容だとオ ープンレターを出した。しかし筆者からすれば、これだけ多くのノーベル経済学者がいるのに、なぜ2016年の実 質の豊かさが1990年代を下回るのか。なぜベビーブーマー世代に比べて、その子供のミレニアル世代(米国 で2000年以後に成人になった世代)は圧倒的に貧しいのか。

 筆者の観点では、1950年代からの米国の中間層構築に最も貢献した経済学者は、農業の専門家だった ゆえにノーベル賞には無縁だったとされるジョン・ケネス・ガルブレイス氏だ。 このあたり、ヒラリーを取り巻く現在のマネタリスト系の金融エスタブリッシュ メントは、自問自答する必要はないのだろうか。

そしてこのコラムを執筆中に安倍晋三首相がトランプ氏と面会した。 日本のメデイアはその成果を強調している。安倍首相が中曾根・レーガ ン、小泉・ブッシュのような関係を念頭においているのは明らかだが、ソ連 という強大な敵がいた時代、さらにイラクという哀れな存在があった頃と 今の米国は違う。トランプ外交の本質は、誰が敵で誰が味方ではなく、 誰が勝者で誰が敗者かのゲーム感覚だ。 日本はトランプ政権が軍事や貿易で中国を敵対視するのを願ってい るようだが、戦後体制をいったんリセットしたいトランプ政権にとっては中 国も日本も同じ土俵の上にいる。トランプにとってありがたい客は、米国 により多くのお金を落としてくれる人。日本は「トランプカジノ」のポーカー ゲームのテーブルに着くような覚悟が必要だろう。同じテーブルには中国 も座っている。

2016年11月21日月曜日

ブラックフライデイの一番乗り






                Handout/REUTERS

大統領選が終わり、そろそろ二週間が経つ。
金融市場では、予想が外れたマイナス効果と、
その後の市場のシナリオも外れたマイナス効果で、
マイナス×マイナスで、結果オーライのユーフォリアが続いている。

個人投資家を相手にする株式評論家なら、一緒に驚いて共感を誘えばよい。
一方で、エリートとされる政治評論家は、選挙結果をあれこれ解説しなければならない。
聞いてはみたが、どれも「正解」とはいえない。
なぜなら「正解」など存在しないからだ。
ところが、どうしても「正解」が欲しい人達がいる。アメリカではない。
アメリカは、世の中の正解が一つでないことが前提の国だ。
必要なのは日本。みんなで一緒に動きたい日本には、
どうしても「答え」が必要なのだ。


そしてこの喧騒のなか、先週の真の主役は、
トランプでも安倍さんでもなく、日銀だった。
日銀はほんの二ヶ月弱前、テーパーリング(イールドカーブ操作)のアナウンスをした。
しかし今度は金利が上がらないように固定するという。
無制限に国債を買い、長期金利を固定するという発表は、
近代国家が、初めて正式にヘリコプターを宣言したということ。
ところが、トランプ騒ぎに没頭している経済メディアは殆ど取り上げていない。

このことは予想されたことではある。しかし、あまりにも早すぎる変質だ。
背景は、トランプの登場は、世界の中央銀行が、
何年も、何兆円もかかって出来なかったことを
彼は一瞬でやってしまう可能性である。

逆に言えば、日銀は、トランプ大統領の誕生と、その後の市場のムードの変化、
そこで発生するであろうデフレモードからインフレモードへの突然変異を
全く予想できなかったことを露呈している。

安倍政権や日銀に影響を与えたクルグマン。
この二週間、彼のブログやNYTIMESへの寄稿は笑える内容になっている。
「悪のトランプは、善の我々が理想としたことを、一時的に達成する」
彼は反トランプを掲げた経済学者の旗頭だった、、。

やはりエリートは、検証は得意だが予想はできない。
ということは、この4thターニングに、エリートばかりを頼る国はどうなるか。
その点アメリカはいろんな人がいる。日本は大丈夫か?

そんななか、今日、アメリカのTVジャパンでは、
去年唐沢寿明が演じた「杉原千畝」をやっていた。
期待しないで観た。傑作といえないまでも、
一つだけよっかたのは、杉原をこれまでような「人道の人」ではなく、
優秀なインテリジェンス専門家として描いたこと。
それは、何年も前から、このブログで杉原千畝の本当の凄さとして主張したこと。

彼はユダヤ人が必ず世界を席巻することを知っていた。だから助けた。
彼はドイツがソ連に侵攻し、日本をアメリカの戦争に巻き込むリスクを訴えた。
だがエリートではなかった杉原を、当事の日本のエリートは理解できなかった。

そして今朝、先週安倍さんがトランプに会ったのは
官邸のインテリジェンスが働いたからだというネトウヨ系のブログ記事があった。
これが日本のインテリジェンスか?

日本のメディアは安倍さんの行動力を称えているが、
はっきりいって、トランプにはさほどプラスの効果はないだろう。
彼からすれば、ブラックフライデイに一番のりしたお客さんと同じ。
もちろんトランプは一番乗りのお客さんを笑顔で出迎える。
こちらのメディアも大々的に取り上げる。しかし本当の重要な客、
つまり大金持は、ブラックフライデイには買い物をしない。

こんな状態で、安保などの日本の立場をトランプ本人に訴えるなど粋ではない。
以前ここで書いた民放の女性レポーター、DO YOU  LIKE JAPAN ?
とトランプに連呼したこととどこが違うのか。日本の余裕の無さを、
世界に向けて発信したようなものだ。

記事が本当なら、個人的には、自分たちの大切な首相に、
こんなことをさせたインテリジェンスとやらに怒っている。
そして、その結果を持ち上げるだけのメディア。
まさにヒラリーが勝つといっていた主要メディアと同じ。

80年前を見た気がする。

2016年11月10日木曜日

Unfinished Business 本当はチャーミングなヒラリー

  
                結婚した頃のヒラリー


           ビルの裏切りを知っても彼を支えるヒラリー


             オバマ政権を退いた頃のヒラリー


ずっと「トランプが勝つ」といってきた。
だが、もし自分に投票権があれば、
バーニー・サンダースに投票していた。

ヒラリーとトランプなら、日本のためにはトランプがいいと思った。
ただ彼が勝つ可能性を真剣に考えたのは、
100年間で2度しか大統領の選択をはずしていないVIGO郡が
昨年12月、トランプを選んだことを知ってから。

ジンクスを信じたからではない。
人口動態的にアメリカの中心に近いVIGO郡がトランプを選んだ理由。
それはビジネスに支配されたワシントンのチェンジだったからだ。
これはクリックした。

結果的に、またもヒラリーを応援することはできなかった。
ただしヒラリーが嫌いだったわけではない。
今激闘が終わり、彼女の政治家としての野望も終わりだろう。
ただ”嫌われている”とされたヒラリーの名誉はできれば回復したい。

トランプのこと知らないように、多くの日本人は
ヒラリーのことも本当はしらないと思う。

個人的には、ヒラリーはチャーミングな女性だと思う。
地元の高校生で、女性共和党クラブをつくり、
リベラル思考に転向した大学では
福祉や女性問題でリーダーシップを取った。

そしてイエールの法科でビル・クリントンと知り合い、
卒業後、ビルがアーカンソーで政治家をめざす一方、
彼女はワシントンで弁護士になった。

時はウォーターゲート事件の真っ只中。
ヒラリーはニクソンを起訴する民主党のチームのスタッフに抜擢された。

そしてワシントンで、未来の有望な女性リーダーと期待されるようになった頃、
彼女はそのキャリアを捨て、ワシントンを去る決断をする。
理由は、「ビルが私を待っている」だった。

彼女は荷物をまとめ、ビル・クリントンのいる
度田舎のアーカンソーにいくため、車のハンドルを握った。
その時、ワシントンで先輩だった友人の女性は、
引越しの手伝いを申し出たという。

アーカンソーまでの二日間の行程の間、
ヒラリーの横に座り、さりげなくヒラリーに翻意を促すつもりだったからだ。
しかしアーカンソーに到着すると、ヒラリーは彼女に言った。

「ここまでありがとう。でも私はビルを愛している」

CNN ドキュメンタリーunfinished business より


そして結婚したのもつかの間、
若くしてアーカンソー知事になったビルは再選に失敗する。

この時、なれない土地で、失業したビルを支えたのはヒラリーだ。
学校の先生、地元企業の顧問弁護士、友人にもお金を借りたという。
そしてちょうどこの頃、彼女は名前をクリントンに変えている。
それまでは夫婦別性の急先鋒だった。

そして知事に返り咲いたビル・クリントンは、
大統領を目指し、参謀にDモリス氏を迎えた。
モリス氏はいうまでもなく、今回の選挙で、
トランプにヒラリーを倒す戦略を提供した張本人。
(選挙チームには入っていないが、外部アドバイザー)

大統領になったビル・クリントンは
モリス氏の「サッカーマム戦略」が功を奏し、再選に成功した。
しかし、その後モリス氏はクリントン一家と決別した。

個人的には、この頃、愛人問題で苦境の落ちたビルを支えるヒラリーが忘れられない。
謝罪会見に臨むビル・クリントンに寄り添うヒラリーの姿は、
その後、似たような境遇に落ちた政治家夫婦のモデルになった。

そして、満を持して望んだ2008年の大統領選挙。
今よりも若く、人間としての魅力もピークだったヒラリー。
自分も含め、多くが彼女がアメリカ初の女性大統領になることを疑わなかった。
ところが、その時、突如、オバマが現れた。

2008年の予備選は、今回の大統領選に並ぶか、
中味的には、それ以上の激戦だった。制したのはオバマだった。
Unfinished Business が残った。

オバマ政権に国務長官として参加したものの、
体力の衰えを隠せなかったヒラリー。
PCの操作もあまり好きではなかった。

オバマ政権の国務長官を一期4年で退いた時は、
ふっくらとした風貌からは、もう一度、
大統領選にチャンレンジすることは決めていなったと思う。
しかし彼女がそのまま引退してしまうのを、
ビル・クリントンの取り巻きは許さなかった。

取り巻きは、ヒラリーが2008年より”弱い”ことはわかっていた。
だから、周到に準備をした。しかし結果的にこの頃の準備が、
後にWIKILEAKSによって暴かれることになる。

このようにして再び大統領選に挑んだヒラリー。
老いた彼女からは、周りの利益の代弁者のような影が付きまとった。
彼女は若者から、「嫌われ者」になってしまった。

究極的には、ヒラリーの出馬は、民主党の人材不足を露呈していた。
オバマがヒラリーの前に大統領になってしまった悲劇。

本来なら、2008年にヒラリーが大統領になり、
NYの司法長官だったエリオット・スパイザーあたりがいて、
オバマと競うような世代交代が理想だったはず。

しかし、ヒラリーより若いジェネレーションXからオバマが出てしまうと
今の民主党に、次を担う「顔」は見当たらなくなった。

有力候補だったはずのスパイザーも、
トランプとも仲のいい刺客のロジャース・トーンらによって
政治生命を絶たれていた。

古いレターの読者はご存知の通り、2000年以降、
ビジネス上、アメリカの大統領選の予想を外したことはない。

2008年のヒラリーとオバマの勝者を予想するのは、
今回よりも難しかった。

幸い今回もトランプが勝った。
そして次の大統領の予想は簡単だ。ほぼペンスで決まりだと思う。
彼は有能な人。トランプが彼を選んだことは、
勝利を呼び込む要因の一つだったと思う。

いずれにしても、ブッシュ一族が去った共和党には、
40代のルビオやクルズ、さらに下院議長のポール・ライアンもいる。

19世紀の半ば、それまでのホイグ党が、リンカーンの共和党に生まれ変わってから、
共和党は60年近い隆盛を誇った。(ウイルソン大統領まで)
もし劇薬のトランプが上手く機能すれば、再び共和党は生まれ変わるかもしれない。

一方前述のモリス氏は、トランプが共和党の代表に決った直後から、
民主党候補がバイデンやバーニーなら、トランプに勝ち目はない。
だが、ヒラリーなら勝てるチャンスはあるといっていた。

バーニーサンダースの選挙戦を邪魔し、
バイデンの出馬を諦めさせたクリントンの取り巻き。
主要メディアは、この頃からクリントン一派に魂を売っていた。

もちろん勝てなかった責任は、ヒラリーにあるのだろう。
でも、とても民主的ではない手段で担がれた時から、
彼女の負けと、民主党の凋落は決っていた可能性。
勝負事とはそんなもの。そこがどうしても物悲しい。

センチメンタルなど、有能なヒラリーには失礼かもしれない。
でも”嫌われ者”のレッテルのまま、終わってほしくない。
日本でも、いつかこのドキュメンタリーが紹介されることを望んでいる。

https://www.youtube.com/watch?v=cAB4-AFYm_0」


2016年11月6日日曜日

後半(本番)の始まり









              

           引用 WIKIPEDIA    



ハッカーがジャーナリズムを担い、
ジャーナリストが煽動する側になるのは悲劇の始まり。

でもまだアメリカにはWIKILEAKやアノニマスがいる。
もしかしたら、日本には必要ないのだろうか。

もしかしたら、まだお花畑にいたい?。

リーマンはアイスバーグにヒットしただけ、
前半の1時間が終わった。(2008年~2016年)

パニックの本番、後半の1時間は、
これから始まる。

http://toyokeizai.net/articles/-/143730

2016年11月2日水曜日

前半と後半の違い。ドラマの本質は恐い。


記録では、タイタニック号がアイスバーグにヒットし、
真っ二つに割れて完全に沈むまで約2時間20分かかっている。

映画は余計なシーンもあって3時間を越える超大作だったけど、
前半の一時間と、後半の一時間ではこんなにも違う。






 殆どの人は無意識だけど、
 静かにパニックの本質を語るドラマって恐いな

2016年10月27日木曜日

戦後体制のデフォルト

                                                   
                                                     (写真はロイターから引用)
         


NAFTAはThe North American "Free" Trade Agreement
TPPはTrans-Pacific Partnership (Trade Agreement)

そもそもTPPには「自由貿易」という言葉は入っていない。
ところが、なぜか日本では、TPPを環太平洋”自由貿易協定”などとよんでいる。
本当に自由貿易なら、あんな分厚い協定にはならないだろう、、。

file:///C:/Users/Taki/Downloads/Agrio_20160419%2528Takizawa%2529%20(4).pdf

一部のアメリカ人はNAFTAで懲りた。
そして今、トランプが主張するのは戦後体制のリセット(デフォルト)。
彼はビジネスで、リセット(デフォルト)を何度も利用した男だ。

アメリカは、アジアと欧州の戦争を終わらせた。
具体的には、二つの地域で領土拡大した日本とドイツをやっつけること。
その後、経済でアメリカが敷いたブレトンウッズ体制(IMF 世銀を含む)は
それなりにワークしてきた。だがさすがに限界が来た。

そろそろアメリカ一国が全てを負担するような体制は終わらせたい。
だから一旦リセット。
トランプは正直なので、そのままいう。

でもそのまま言われると、
米国が敷いた戦後体制で、一番潤った日本は戸惑う。
よって大半の日本人は、
(大統領に)トランプなんてありえない、
今の路線のまま、ヒラリーがなるはずだとしか思えない。

でもヒラリーを取り巻くグローバリストは、
同じようにリセットを考えている。
だが、彼らはトランプにくれべ正直ではない。
みんな優秀な弁護士だからだ。
だからそのまま言わない。
その一例がTPP。

つまり、トランプとヒラリーの違いは、
戦後体制のデフォルトをそのまま宣言するか。
宣言しないまま、気づかせないで、負担を肩代わりさせるかの違い。
本当はどっちが日本にはありがたいのか。

いい加減気づかないと、
フィリピン大統領には、
日本はいい国で好きだけど、
駆け引きでは「バカな国」だと思われるだろう、、



2016年10月23日日曜日

若い人の未来

   

 

 ヒラリーとトランプの最後の討論会のあと、
    日本では殆ど報道されない第三政党候補の一人、
     ジル・スタイン女史がこんなツイートをした。

Dr. Jill Stein  Jill Stein
Hillary Clinton's foreign policy is much scarier than Donald Trump's, who does not want to go to war with Russia.

 
 ヒラリーはWIKILEAKからいろいろ攻められている。
 だから彼女はWIKILEAKの背後にはロシアがいて、
 そのロシアとトランプはつながっている、、。
 という世論を造りたい。

 討論会では、ヒラリーはトランプをプーチンの操り人形とののしり、
 トランプはヒラリーのような頭の悪さでは、
 プーチンには勝てないとやり返した。 
 
 アメリカ人がどう感じるかはさておき、
 日頃平和を掲げているなら、NYタイムスこそが
 このジル・スタインの指摘をすべき。

 ところが、今のNYタイムスは、戦前の朝日新聞、
 そして自分達が犯したイラク戦争へ賛同という愚かさを、
 再び繰り返している。
 
 結果、幸運な時代を生きた世代の間違った判断で、
 酷い目にあうのは、いつもその次の世代の若者である、、

   http://toyokeizai.net/articles/-/141705

2016年10月12日水曜日

常識の塊とナレ死の流儀


       イラク戦争を支持し、今はヒラリー支持を鮮明するNYタイムス
          


今年の大河や朝ドラのNHKドラマ。

重要キャラの死を、ナレーションでさらっと解説するだけの演出があった。

時よりNHKのドラマ部門の先見性に驚かされる。死がタブーになった日本で、

その塊へ、隠れたメッセージとして意図的にやっているなら凄い。


そういえばフジTV出身の男性タレントが、

ブログで掲げた過激発言が非難を浴び、発言を撤回したというニュース。

普通に情けない。情けないのは撤回したこと。

メディアもビジネス、PVや評価には逆らえない。、

そこに身を置きながら、批判されるような内容を、覚悟も無く掲げる。

批判され、仕事が無くなったら撤回する。

こういうボーガスを観ると、読者だけで暮らしの手帳を育てた二人の凄さ。

今の時代、この二人に焦点を当てたのは、やはり先見性だったのだろうか。


一方アメリカではヒラリーの過去の批判をしない主要メディアの凋落。

本心ではヒラリーが好きでなくとも、トランプに大統領をやらせるわけにはいかない。

だからバイアスがかかっても赦される、、という常識派の感覚が窺える。


それなりの覚悟だが、自分は良い学校に行き、常識もあると考える人たちが、

イラク戦争前はブッシュ支持を表明した。まあ相場の塊と同じ、

最後は巨大になり間違える、、、


ヒラリーが勝ったら、そういう歴史が繰り返えされることに準備するのみだが、

間違いを繰りかえさないためには、どこかで、

自分のナレ死を受け入れることが必要になるだろう。







2016年10月5日水曜日

いちば(市場)の未来


          1993年、初めてシカゴに来た頃のCBOTの雰囲気



  1996年、取引ボリュームが増え、600億円をかけてフロアーを新しくした頃のCBOT

Image result for cbot trading floor pictures

          それから20年後、現在のCBOT(CME)の雰囲気



 日本では、魚のいちばが、築地から豊洲に移る、移らない、でもめている。

 いちばの人間として経験したのは、

 移っても、移らなくても、仲買人が要らなくなる時代は、

 直ぐそこまできているという感覚。

 金融はブロック・チェーン、 

 魚も産地から、直送でレストランや消費者へ届く時代が来るはず。


2016年9月29日木曜日

PV(ページビュー)より価値があるモノ



先週フェイスブックは、過去2年間ビデオの視聴回数を80%水増ししていたことが判明。ページビューが根幹の同社において、信用を揺るがす話のはずが、株価はそれほど下がっていない。ミレニアルを代表する銘柄なので、ミレニアルは売らないのだろうか。そしてこのページビューの水増しは、大統領選の支持率に似ている。とにかく大きな数字にしないといけない。

そういえば、アップルも新商品も、発売直前に予約で品切れたと報道された。業界下位のTモバイルの社長は、前シリーズの4倍の予約が入ったといった。株価は上がった。でも圧倒的上位のべライゾンとATTからは派手な話はなかった。

では一体どれだけ初日に売れたのか。当日具体的な数字を探したが、見つからなかった。見つかったのは、年末までの会社の強気な見通しだけ。結局翌週になって、それほど売れたわけではないことが判明した。

このブログでは、好き勝手を書いているが、最近東洋経済のオンラインに記事を載せてもらっている。オンラインの記事も、内容よりも、まずはページビューが全て。読者をひきつけなければならないタイトルや小見出しは、出版の専門家に決めてもらう。オリジナルの意図が変わることがあるが、まあそういう時代だということだろう。

そなな中で楽しませてもらった朝ドラ。「暮らしの手帳」は読んだことはないが、
大橋鎮子社長や花森安治編集長の覚悟は、今の時代だからこそ敬服にあたいする。

http://toyokeizai.net/articles/-/138056

2016年9月23日金曜日

理想的、アメリカ的家族”の崩壊




http://marukano-gb.blogspot.com/2014/12/blog-post_11.html


ずっといろんなところで、

ロシアや中国の一党支配崩壊より、

アメリカの分裂の方が早いと言ってきたけど

このアメリカ的で理想的な家族の終焉は

大統領選の後のアメリカを予兆している・・


そういえば、日本でも”10年以上前

世界に一つだけの花”で感動をさそったSMAPも解散する。

ならそろそろ平和ボケから、

現実に対して目を覚まさないと、、。

2016年9月21日水曜日

ウィーク・オブ・レコン


今年からブログを、真マネー原理から、

デイ・オブ・レコンに変えた。

同じ意味で、今週は ザ・ウィーク・オブ・レコンになる可能性。

どちらかというと、それはFEDよりも日銀。

日銀の、本質・正体が、明らかになること期待。

別に批判も賛同も必要ない。

淡々と、起こることが判ればよい。


ところで、9月、10月、は、

リーマンショックの再来になるという人がいる。

でもそれはない。理由は何度も説明した。

何かが起こるなら、リーマンでは済まない。


一般的には最近のバブル相場崩壊は、次のように説明される。

2000年 ハイテクのバブル崩壊。

2008年 住宅のバブルの崩壊。

まず違うのは、前者は評価のバブル。

後者は信用創造(レバレッジ)のバブルだったこと。

でもバブルが崩壊したもっと直接的な理由は別だろう。

(昨日のTakizawa レターで紹介)

同じ答えが見えるかどうか。

それがウイーク・オブ・レコンへの期待。

-


2016年9月13日火曜日

常識が非常識に負けるとき



           http://toyokeizai.net/articles/-/135745

            病気説が出たヒラリーを必死で支える大手メディア。
    WポストとNBCは、まだヒラリーがリードしていると主張するが、
    その信用力は低下の一途。

    そもそも親ヒラリーでない人は、
    ヒラリーが倒れたのは、肺炎ではないと思っているはず。
    
    もし本当にウイルス性の肺炎なら、
    回復した後、(TV向けに)女の子を近づけるのはおかしい。
    
    また前日、友人で献金をしてもらっている
    バーバラストライサンドに会うのもどうか。
    バーバラストライサンドは大女優で歌手だがそれなりに高齢。
    友人として、肺炎を移すわけにはいかないはずだ。

    彼女持病の真意はわからない。
    ただ、木曜日 金曜日の展開は
    ヒラリーには、本当に厳しかったと思う。(添付東洋経済)
    
    個人的には、その影響がで疲れがでたと観ているが、
                 でもソレだと純粋に気力体力の問題になり、彼女は失格の可能性が、、。
    だから、どうしても、一過性の
    ウイルス性の肺炎でなければならない・・
   
    ここまでくると、ヒラリーが、かわいそうだ。                  

2016年9月10日土曜日

満たされる終末ケア


利上げ警戒で400ドル近く下がったとされる米株。
本当はそれだけではない。

痛みは何のためにあるのかといえば、
注意を促すため。

なら痛みを感じない、
痛みを感じさせないというのは、
どういうリスクを伴うのか。

中央銀行が繰り出す流動性で
全ての不都合が救われるかのような経済政策。

方程式で需要をくくりだしたところで、
人間社会への後遺症は別の次元。

今の北朝鮮は、尖閣どころではないリスクのはず。
でももしこれに日本株が反応しないなら、
日銀のETF買いは終末ケアのモルヒネ。

リスクを感じるための神経まで麻痺させられたなら、
後は安らかに逝くだけとなる。

そういえば昨日、フロアーでリックが
アメリカはやっとオーバーサチュレート(over saturate)
 が終わると言っていた。
でもどうかな?

いずれにしても、
オーバーサチュレートのリスクは、
生き物としての、精神と末梢神経のリスク。
経済学者は、そこに責任は持たない・・


2016年9月4日日曜日

主要メディアの正体



http://polling.reuters.com/#poll/TM651Y15_DS_13/filters/LIKELY:1/dates/20160601-20160831/type/day

オバマ政権になって、ワシントンポスト紙は政権の広告塔になった感。
今は社主がジェフ・ベソス。
トランプはアマゾンを独禁法で訴えるなどと言っている。

NBCは、同性愛者のCEOが、超大手メディアのトップとは思えない
トランプ攻撃をしている。

これまで大手メディアは、もう少し中立的に報道していた。
主要メディアが、完全にヒラリーの応援にまわった今回の大統領選挙。
それだけトランプが異質だからだが、
ここまでやって、それでも彼女が負けたらどうするんだろう。

いずれにしても、メデイアが偏見を隠さなくなるということは、
社会から余裕がなくなってきた証拠。
その先のシナリオは自ずと見えてくる。

2016年8月27日土曜日

先の先 ヘリコプターへの飛び込み台


次の利上げは、次の利下げの準備のアメリカ。
(ヘリコプターへの飛び込み台)

http://toyokeizai.net/articles/-/133419


まだ本格的には五輪効果の上げ潮になっていないのに、
もうその後の引き潮を心配する東京。

http://toyokeizai.net/articles/-/132558


感覚力

テレビジャパンを見ていたら、
NHKのプロフェッショナルという番組で
あの角川の角川歴彦氏が、
川上量生氏と経営統合した理由を、
以下のように語っていた。(NHK プロフェショナルからの抜粋)


一年間の変化がこんなに極端に変わるときにね、
もちろん 放送もそうだし、
それから 映画もそうだし、
それから 出版もそうだし、
それは何かあったら、
ユーザーがどんどん変わっちゃうんだもん。

やっぱり、昔の読者とか、
そのアナログ時代の人っていうのは、
こうプロセスを大事にして、
だからこう変わるんだって説明できたんだけども、
今の人たちってオンとオフだから、
説明しないで、
飛躍して、
判断しちゃう、
変わっちゃうんだね。

だからあっという間にコンテンツも陳腐化したり、
時代の変化が激しいから、
時代と戦っていかないといけないという点でも、
やっぱり川上君みたいなタイプが
これから必要だと思うんですよね、、

番組によると、川上氏は、
アメリカではピーター・ティールに似た凄い人のようだが、
旧世代でありながら、こういう決断をする角川氏も凄い。

今の相場関係にも、ここでいわれている「感覚力」は
参考になると思う。


2016年8月25日木曜日

カッコーの巣の上で、、3人の女性の共通性







       トランプが嫌いなヒラリー

  相場のボラが嫌いなイエレン

  名作、「カッコウの巣の上で」で
  ジャックニコルソン演じるマクマーフィーが嫌いな婦長

  この3人に共通するのは、、、

  

2016年8月19日金曜日

日本は世紀の番狂わせを起こせるか、




恐らく日本では女子レスリングの話題が中心だろう。
だが、個人的には、今晩世紀の番狂わせがあるのではなかと
密かに期待している。

昨日の男子400メートルリレー予選二組。
レース前にNBCが紹介したのはジャマイカと英国のみ。
ところが、ぶっちぎりで勝ったのは日本だった。

http://stream.nbcolympics.com/track-and-field-day-13-morning (ストリームでは中盤)

二着に入ったジャマイカに余裕の2メールの差。
予選のメンバーにはボルトが入っていないが、
この結果にはアメリカ人解説者も絶句だった。

バトンを渡すという作業は、
走る動作とは違う。

ざっとみて、” 下からバトンを渡す” のは日本だけ。
息の合った日本人にしかできない技だ。

万が一、ボルトの入ったジャマイカと
意地のアメリカを日本が倒せば、
五輪史を変える出来事になる。

個の力では及ばない日本人が
技が絡んだチーム力では勝てる可能性。

バブル崩壊後、政治も経済も
アイデンティティークライシスになった日本の
復活を期待、、

2016年8月11日木曜日

初めての君が代




アメリカに来て23年になる。

過去この国で「君が代」を聞く機会は、日本人が集まるイベントのみだった。
ところが、昨日、TVで「君が代」のメロデイーがフルで流れるのを聞いた。

NBCの夜のオリンピック特集。フィナレーシーンを飾ったのは内村の表彰式だった。
アメリカの国歌とは明らかに違う、重く美しい旋律。

表彰台での内村選手を、自国の選手のように扱い、
そのまま終了した番組。

日本の国歌がこの国で流れる必要はない。
初めて聞いたアメリカ人も多かったと思う。

粋なNBCの演出と、内村選手の偉業に感謝したい。

2016年8月8日月曜日

クリントン政権の石田三成、それでもヒラリーが勝てない理由



                
石田三成のようなスパーリング氏


           http://toyokeizai.net/articles/-/130846?page=3

この記事のタイトルのように、巷ではヒラリーが勝ったかのようなはなしばかりだが、
個人的には、まだ今の時点でも、ヒラリーが大統領になる可能性は低いと考える。
(記事のタイトルは東洋経済社が選んだもの)

そもそも大統領選のPOLLは信用できない。
2012年もこの時期はロムニーがオバマを4ポイント前後リードしていた。

ヒラリーが勝てない理由はいくつかある、
まずまだアメリカは、「アメリカでなくなる」ことにOKを出さない。

ヒラリーを支持する非白人のマイノリテイー。
アメリカで彼らの人口が伝統的な非カソリックを圧倒するのは時間問題。
しかし必ず抵抗があるだろう。

ヒラリー大統領なら、現在空席の9人目の最高裁判事がリベラルになるのは必定。
そうなると、不法移民がみんなアメリカ人になってしまう・・

土壇場でEU残留にNOを突きつけた隠れた英国人の性。
トランプは同じところを刺激すればよい。

これ以外にも、知られていない重要なトランプ優位の理由は複数ある。
ただそれは有料レターで。

一方でTPP関係者は、TPPについてスパーリング氏がなんと言っているか、
よく聞いたほうがいい。

氏は秀吉(クリントン)の絶頂期を支えた石田三成のような存在。

http://www.bloomberg.com/politics/videos/2016-08-03/gene-sperling-clinton-wants-to-put-tpp-in-rear-view-mirror

”TPPはバックミラーに入れた・・、、は面白い・・



2016年8月3日水曜日

アメリカがリオで王座を譲る理由


先週、ジョコビッチに負けて準優勝だった錦織選手のインタビュー。.
冒頭で錦織選手は「来週はオリンピックに参加する」と、力強く語った。

清々しい違和感だったのは、盛り上がりに欠けるアメリカの五輪ムードのなか、
本来五輪大好きの自分自身も、リオに興味を失いかけていたからだ。
それを錦織選手が吹き払ってくれた。

アメリカは過去3回主役だったマイケルフェルプスがピークを過ぎ、
主要メディアがリオをあまり取り上げてこなかった。
こぞって取り上げたのは、ロシアのドーピング問題ぐらい。

そもそも単独支配国家として、スポーツで国威高揚をする必要のないアメリカ。
国民は団体競技では4大スポーツに熱狂している。五輪が盛り上がるときは、
個人競技にスーパースターがいる時だ。

ナイキなどがスポンサーになり、メディアが取り上げてムードづくりをする。
つまり、主役はビジネス・・。しかし今回はヒーローの後退期になり、
国内は大統領戦で盛り上がっている。

そこで、この大会は、アメリカがどれだけメダルを取りこぼすかに注目している。
ロシアのドーピングばかり話題だが、バレずに参加する選手にも影響するはず。

さらに国内政治が分裂で別の意味ので盛り上る一方、
ビジネス面のサポートはいつもに比べて貧弱だといわれる。
ならば、日頃整った環境にいるアメリカ人選手が、リオの選手村の環境で
インセンテイブを維持できるだろうか・・。

いずれにせよ、歴史的に国力と金メダルは比例してきた。
個人的に今回アメリカは金メダルで中国に負けると予想する一方、
日本の大躍進を確信している。

中韓もそれなりに頑張るだろうが、東京を控え、
五輪大好きの日本のサポート力はトップだと思う。
そして、今の世界情勢とは隔離された日本の団結力は
こういう時にこそ、威力を発揮すると予想。

ゴールドマンサックスはロンドンでの日本の金メダルを8個の予想した。
4年前はほぼ的中したが、今回は大外れになる予感。
日本の金メダルは20個 メダル総数で50個は、十分可能・・

             (ゴールドマンのメダル予想)


2016年7月28日木曜日

行動しない勇気


行動する勇気と行動しない勇気

http://toyokeizai.net/articles/-/129425?page=4

アメリカ80年代は「ハイパー」までは行かなかったけど、
かなりのインフレだった・・

2016年7月27日水曜日

テロがない国

 

少し前のNHK9時のニュース。
五輪情報の際、NHKのブラジル駐在のスタッフが
ブラジルでは、「過去テロはほとんど起きていない」といっていた。

確かにブラジルでテロの印象はない。
でもその理由は、個人的にははっきりしている。
今のブラジルでは凶悪な殺人が日常になりすぎている。
そこでは最早「テロの効果」などないからだ。
テロは、殺人が日常ではない平和な国で行うのが、
残念ながら、一番効果がある。

NHKも五輪を盛り上げたいのはわかる。
だがあまりにも無責任なコメントはしないほうがいい。
そういうことをしていると、日本国内でショッキングな事件は
これからも増えるだろう。

ショッキングな悲劇を減らすには、自分達が生きた戦後が、
戦争という下髭の反動の上髭だったことを認めることから始まる。

日本が認めなくとも、
世界は戦後の80年が終わろうとしている。

残念ながら、その最後の20年、冷戦終了後のユーフォリアを
日本だけが、いわゆる「失われた次代」のせいで、実感できなかった。
だから、その時代が終わろうとしていることも気づかない人が多い。
(ここが日本の特徴 )

一方で直ぐにあの下髭時代が再来することはないと思う。
だが上髭時代の平和ボケも終わらざるを得ない。
準備することと、終戦記念日に向けて、
反戦ドラマを流すことは違う。

今世界では、ミレニアルがリベラル化の先頭を走る。
だが、ISなど、世界中でテロ起こすのもミレニアル世代だ。
一部は先に凶暴化・過激化している。
この二面性を一人で背負うと、
今回日本で起きた悲劇になる。

4THターニングの著者の一人、ニール・ハウ氏は
グレートジェネレーションとミレニアルの共通点を主張する。
グレートジェネレーションは、最初から勇ましい印象だった事実はないという。

彼らが10代から20代前半だった1930年代は
デフレとともにアメリカの犯罪率は低下した
今のミレニアル同様に、グレートジェネレーションは若いとき、
ほとんどがリベラルだった。ところが、この世代は
その前の世代の決断で、過酷な運命に叩き込まれた。

日本では偶然?その時代の朝ドラが続いている。、
直前の(大正)デモクラシー謳歌から太平洋戦争。
主人公のおかれた環境の、突然の変化がよく出ている。

幸運にも、上髭時代を生きたブーマーや
我々ジェネレーションX。
親として当然だが、子供のミレニアル世代には
自分と同じ環境を残したい。

しかし、複雑なめぐり合わせの日本のミレニアルに
中途半端な甘い時代感覚を残してはいけないと思う。

2016年7月25日月曜日

酷い比喩・カッコいい比喩



トランプかヒラリーの選択は、
心臓発作か、癌か、
の選択と同じ、、            

                            チャールズ・コック


どっちもいや
なら




                    保守


                    


                   リベラル

          
                                (FT参照)

  

  

2016年7月21日木曜日

最後のバブルの先


      
https://youtu.be/bPZILc9aCcY

47年前の今日、アポロ11号は月面着陸に成功した。
今宇宙ステーションに滞在する大西さんには、
これまでの日本人宇宙飛行士とは、
ちょっと違う雰囲気を感じる。

日本人の大きな期待を背負っているのは同じ。
だが、彼の目標はまだまだもっと先にあるようだ。

http://otakizawa.blogspot.com/2016/02/blog-post_3.html

ここで大西さんが言った”知的好奇心”。
それで思い出したのは、
「アポロ11号を最後に、アメリカではサイエンスとテクノロジーは分かれた」
といったピーター・ティール。

彼は共和党党大会の最終日、トランプの応援演説をする。
ほとんどのシリコンバレー関係者が反トランプなのに、
なぜ彼はトランプを支持するのか。

テイール氏は、テクノロジーはサイエンスと分かれた後、
主に消費文化のサポートにむかったというコメントをした。

90年代のPC 2000年代の携帯の基本機能、
そしてソーシャルネットワーク。
確かに、今はみんながポケモンを探すグローバルゲーミングの真っ只中だ。

一方で彼が定義するサイエンスとは、
その時点での利益を超え、命を賭けて未来へ挑戦すること。
ここが、大西さんの夢と重なる。

過去、このような挑戦は、戦争で勝つことを目標に、
国家が行うしかなかった。
しかしレーガン政権が冷戦に勝ってしまうと、
アメリカにその予算はなくなった。

結果、優秀なNASAの頭脳が金融へ行った。
彼らは、様々な証券化商品を開発した、
アメリカンドリームの達成。
個人的にもその恩恵を受けたが
テクノロジーは米国の消費文化に貢献した。

この頃から、アメリカで、
いわゆるプロの大手投資家と言われる人をずっと観測してきた。

同世代でありながら、生まれた場所によって、
太陽と月のような違いのまま、ともに巨万の富を築いたバフェットとソロス。

ブルーンバーグの時代になり、画面を見ながら
ロング・ショートを張るヘッジファンドたち。

自分のレベルでは、最早アルゴのAIの中味まで語れないが、
投資家してのピーター・ティールは、
テクノロジー先が消費文化構築だと見極めるやPAYPALを起こし、
その先にソーシャルネットワークでは、最初にフェィスブックに投資。
(5000万円の投資は2千億円へ)
今はイーロンマスクのサイエンスへの挑戦をサポートしている。(スペースX)

彼は世の中を見極める能力において、
前述のどのタイプにも属さない。
しかしその慧眼は、
次の時代を担う本物だと確信している。

そして数週間前、FTとのインタビューで彼が言ったのが、
今は1720年頃の英国、1920年ごろアメリカで起こったバブルと同じ境遇。
いつ終わるかはわからないが、”最後のバブル”になるだろうと明言した。

1720年頃の英国と、1920年代の米国では
出来たばかりの中央銀行が信用を拡大した。(南海泡沫と1929年の暴落の始まり)
ただし当事はまだ今のように流動性を好きなだけ拡大した時代ではない。
だったたらヘリコプターの時代のあとはどうなるのか。

最後の意味は何か。
前例の二つの事例のように
有価証券のハードランデイングなのか
それともフリーマーケットが終わるのか・・。
最後の意味について、彼はFTとのインタビューでは語っていない。

その時代に向けて、テクノロジーの先がこれまでと同じ拡大しかない
と確信しているのが、日本の英雄の孫さんだろう。
孫さんの慧眼、実績はピーターティールに劣らない。

ただ個人的には「英雄の伝説」の終わりが始まったと静かに確信している。
何があっても、自分の中では孫さんは英雄。ソレは変わらない
ただどんな英雄伝説にも終わりはくる。その理由はTakizawaレターで紹介する。


2016年7月14日木曜日

勇気の代償はヘリコプター?


http://toyokeizai.net/articles/-/127286


ゲームオブスローンズが終わってしまい、日曜日がつまらない。
大河ドラマの真田は地元。
知り尽くしているので、あまり観る気がしない。
ただ昌幸のような善悪の二面性を持つ人間だけが、
ゲームオブスローンズでは生き残っている。
真面目で正義感ある人間と、
愚か過ぎる人間は、みんな死んだ。
日本以外、大半の世界がそういうところだということを、
日本はいつ知ることができるのだろう・・、

2016年7月4日月曜日

悲劇の地図

(イアンブレマー氏のツイッターから)

バングラディシュの悲劇はこれまでにない次元に達した。こちらの一部のニュースでは、人質は全員喉を裂かれるという、日本人が犠牲になった事件としては、近年例のない悲惨な状況だったことを伝えている。ボカシのない写真もあり、その状況はとても日本では報道できないものだ。

しかしここでは敢えてこの悲惨な事実を強調する。理由はいくら犠牲者の善意と悲惨な結果のギャップに焦点をあてても、このような事件が起きるテロの背景や、アメリカとの関係を真剣に考えなければ、犠牲者の命は報われないからだ。

アメリカでは、約90%の国民が、2003年のイラク戦争が現在の中東の難民問題、しいてはISのテロになんらかの影響を与えていると感じている。その感じ方によって難民受け入れに対する感覚が決っているというリポートが以下。(ブルッキングス)

http://www.brookings.edu/blogs/markaz/posts/2016/06/28-american-attitudes-middle-east-refugees-telhami?cid=00900015020089101US0001-070201


日本では自民党の小泉政権がブッシュ政権との関係のなかでイラク戦争を承認した。小泉政権では一時的に景気も回復。日本国内ではいまだにその評価は高い。ただし世界はそういう日米関係を知っている。安倍政権にも小泉政権と同じ方向性を感じているはずだ。

だったら覚悟して日本は世界に出て行くべき。共和党の米国と自民党政権に生まれる周期的な好景気循環。ソレだけを堪能し、結果起こったテロ、これから起こる可能性への覚悟を促さず、テロの現実をたまたま巻き込まれた不幸のような感覚で報道するだけでは、平和ボケといわれても仕方がない。覚悟のためには、悲惨な事実を隠してはいけない。

個人的には、これで日本の若い人が世界を目指さないなら、ソレはそれで日本の宿命だと思う。イアンブレマーが示唆した悲劇の地図で、自分の国が赤く染まっている意識がないのは日本だけだろう(今後は狙われるということ)。このギャップがどういうことになるか。根本的に意識を変える時が来ていると思う・・


2016年6月27日月曜日

またまさかの敗北、”ラグナ”に呪われたイングランド



英国のEU離脱の大騒ぎが続いている。そもそも大騒ぎになったのは相場が動いたからで、日本のメディアで、事前にその重要性を取り上げたところはあったのだろうか。

大きく相場が動いたのは原因は、直言すれば、リーマン後の過剰流動性と、中央銀行主導の経済に慣れてしまった市場環境の白痴化だと思う。

この二つは相互作用。流動性の主役はAIになり、人間が値動きについていくには、近代史の経緯、あるいはもっと深いところで、人間社会の根幹を形成した宗教や哲学の重要性など、今の相場ではどうでもよくなった。

つまり政治よりも経済指標。このような相場のスタートは、経験からは冷戦終了からだ。加速されたのは2000年以降。アメリカでブッシュ大統領がアメリカ史上初のMBA出身者だったのは時代の象徴だったと思う。

しかし世の中は面白い。そういう時代の後、何が重要なのかを問いかけている。この騒動は、前述の二つの要因で相場が高止まりしているこの数年間、アメリカ一国支配によるグローバリゼーションのUNWINDが始まっていたこと。そしてそのことに準備する相場参加者の感覚が不足したことが露呈されただけ。

実体経済は直ぐには変わらない。しかし市場関係者やエコノミストの中には「未曾有の危機」が始まったなど言う人がいる。結果をやたらと煽ったり、共感で存在感を高めるのはこちらではプロの仕事ではない。

危機ならとっくに始まっている。ここではTHIS IS ITの始まりを二年前からいっているが、今日モハメドエルアリアンが似たようなことを言っていた。彼はTHIS IS ITを、T字交差点に例えていた。

 http://finance.yahoo.com/news/mohamed-el-erian-key-questions-regarding-brexit-eu-referendum-233441569.html

今の世界経済はT字交差点のクビ近辺まで到達した。このまま同じ方向に直進はできない。右か左のどちらかに行くしかない。右に行くには実需が重要だといっている。でもどうやって政治が実需を起こすのかは言っていない。そして逆に言った場合、管理相場が続き、デフレ脱却は難しいとしている。

結局はオックスフォードとハーバードで学び、PIMCOからIMFまで世界の要職をつとめるエルアリアンでさえ、経済は行き止まりまできたが、これからは明確に示唆していない。二極化のなか彼の立ち場は右。だが世界がどちらを選ぶかは未定だということだ。

ところで、さきほどユーロ2016で、人口5000万のイングランドが、人口30万のアイスランドに負けた。この衝撃は大きい。(個人的にもびっくり。だからこのコラムを書いた)

有料レターでは、国民投票で残留にかけるのは妥当。ただしレスターの優勝から何かが始まっている。まさかを準備しろと指摘した。この敗北も英国にとっては「まさか」。国民にとっての衝撃はBrexitの結果より大きいのではないか。(Brexitが出来ないまさか)

そしてこの試合でアイスランドで活躍したのがラグナー選手。ラグナーはブリテン島に攻め入った伝説のバイキングの名前(Ragnar Lothbrok) 。彼は途中で死んだが、孫達はアングロサクソンのイングランドを征服した。

その北海帝国のキング・クヌートが、ゲームオブスローンズのジョンスノーのモデルだと個人的には観ている。クヌートの後、同じバイキングから大陸の血(フランス)が入ったノルマンデイー公の征服王ウイリアム一世がディナリスなら、ドラマの終焉は近い・・





2016年6月22日水曜日

一番単純な構図

単純な構図



ヒラリー   or  トランプ

Bremain or Brexit




例1



                   例2
 







ここにきて日本でも英国の国民投票が話題。
相場関係者の中には、英国政治を取ってつけたような解説をしている。
それだけ今の相場には、国際政治の緊張感が欠けていたということだろう。
だが欧州の歴史は、一夜漬けで覚えられるほど単純ではない。


アメリカから見て、そもそも日本人の弱点は英語力ではない。
弱点は世界史に対する感応度。
もちろん日本が、日本から世界を見るのは厳しいハンディがある。
でもそんな条件でも、今からでも遅くない、若い人は勉強したほうがいい。
大学でローマ史を学ぶというようなはなしではなく、
もっと興味を持つこと。

個人的には、世界が今の姿になるまで一連の流れを、
映画などのビジュアル系で、まずは脳に印象ずけるのが効果的だと思う。
その時代に興味を持てば、映画から「本当はどうだったのか」という探究心が生まれる。
今はソレを調べるツールは十分ある。

いろんな時代。、
いろんな場所からの視点。
ソレを繰り返すうち、
次第に「大河」のように繋がってくるはずだ。

いずれにしても、明日の英国の結果がどうあれ、
今世界分断する二極化は仲直りしないだろう。
冷戦が終わり、中間層がユーフォリアになり(日本以外)
それが消滅した。

ということは、どちらかが完全に負けるまでの戦いは、
これからが本番・・


ところで、真マネー原理では、二回英国のリファンレンダムについて触れた。

( 参考)< 日本もリファレンダムを >
 http://marukano-gb.blogspot.com/2015/07/blog-post_5.html?m=1       


アメリカでも、英国の国民投票の後、大統領選が本番を迎える。
冒頭でヒラリーVSトランプを「よい人」VS「悪い人」のように扱った。
しかしこれは「偽善」VS「本音」と言い換えることが出来る。
本当は、ヒラリーが最も世界戦争に近いとするオリバーストーン。
 
https://libertyblitzkrieg.com/2016/03/31/were-going-to-war-oliver-stone-opines-on-the-dangerous-extremism-of-neocon-hillary-clinton/

全く同感だ。

    
    

2016年6月15日水曜日

弱い群れの行動学



昨日ストックボイスのワールドマーケッツでコメントをした手前、
有料読者にはお詫びをしつつ、補足のため、
特別に今日のTAKIZAWAレターを添付、、、。






昨日VIXは、3月以来となる200日線超え。
本来なら、ここから株を売りたくなるところ。
だが、BREXITやFOMCを控え、敢えてここはショートカバーが妥当。

なぜなら、今のアルゴはほとんどがKNEEーJERKを狙っている。
また10年のドイツ国債がマイナスになったのも一旦目標達成感。
今日の株はポジテイブで終わると見るべき・・

それにしても、MEDIAというのは本当に脅威だ。
事実と関係なく、政治に利用される度合いは、今も昔も恐ろしいレベル。

大統領選、BREXIT、メディアがPOLLを発表し、
後から国民がそう思ってしまう心理ゲームが、
あちこちで展開される。

そんな中、比較的冷静なのはマネーをかけた指標。
前回の大統領選も、メディア誘導で”ロムニー有利”
とされる時期があった。だがお金をかけたチャートで、
オバマがロムニーに負ける局面はなかった。
その意味で、BREXITの実勢は添付のチャートが参考。

余談だが、舛添問題も同様だ。
メディアがこんな小事を煽っている間にも
世界ではいろんなことが起こる。

東京五輪で使われた賄賂については、
日本のメデイアは敢えて触れないようにしている感。
しかし、金が渡った先は、ロシアのドーピング問題の中心人物でもある。

http://www.japantoday.com/category/sports/view/2020-tokyo-olympic-organizers-staying-away-from-bribery-investigation-politics

フランスは何を考えているかわからない。
また日本とロシアが北方問題などで近づきすぎると、
アメリカは困窮する韓国を救うためにも共催などの
難題を押し付けてくる可能性はないのか。

日本国民がメディア誘導の小事にかまっている間にも、
金融市場や国際政治での大きなリグは、
いつも日本を狙っていることを意識する必要あり・・。

いずれにしても、日本やドイツの敗戦国、
あるいはギリシャ・ローマの過去の国、
さらにスイスなどの中立国、
そして北欧の社会主義へ移行している国から
マイナス金利は浸透してきた。

こういう国は、過去を踏まえ、
既にいい人による、いい国を目指している国。
しかし、歴史で世界を牛耳るのは、強い国であって、いい国ではない。

ただこの250年、世界を牛耳った米英にも
確実にリベラル化の流れが浸透している。
その流れに逆行する最後の抵抗?も起こっている。

米英が利上げやEU離脱へ傾けば、
1000兆円のマイナス金利の債券はどうなるのか。
ここが崩壊すれば必ず株も崩壊する・・

BREXITでドイツ国債を買う行為は、
平和に慣れすぎた債券プレヤーの集団自殺になる可能性もある・・