ゴゴジャンTakizawa レター

ゴゴジャンTakizawa レター
ビックピクチャーとマーケットのメカニズムは車の両輪

2017年8月30日水曜日

大いなる幻影



「大いなる幻影」非常に評価が高い1937年のフランスの反戦映画。(個人的には未鑑賞)
映画の原作は1909年にノーマンエンジェルが書いたThe Great Illusion。こちらは今
WEBで読み始めたところだが、映画と本では内容は異なるようだ。

映画は第一世界大戦の悲惨な経験を踏まえ、台頭するヒトラーを警戒した反戦映画。
一方でノーマンエンジェルの原作は、まるで今のグローバリストたちが前提とするマッキンゼーのリポートのような内容。

1909年の時点で人々は戦争の愚かさに気づいており、キャピタリストはインターコネクト
した世界経済での大戦争のコストとリターンは自明、戦争によるメリット拡大は最早幻影でしかない(The Great Illusion)と断言している。

本は発売直後から大きな影響を及ぼしたらしい。だが、結局7年後には第一次世界大戦が勃発。その反省と警戒を兼ね、本の著者のエンジェルには1931年にノーベル平和賞が贈られら、そしてフランスでは大作映画「大いなる幻影」が製作された。
だが、結局ヒトラーは止められなかった。

当時のノーマンエンジェルと今のグローバリストの言うように「戦争のメリット」は大いなる幻影か、あるいは、そのような彼らの考えこそが大いなる幻影か。
また試されるだろう。


<投資の天才のフェーズの読み方>

<ハリケーンとミサイル、ピンチはチャンス>

2017年8月4日金曜日

300人の金融ph.Dの頂点はトラック野郎になり損ねた男?



https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-08-03/is-gary-cohn-a-good-pick-to-head-the-fed



< 2017年2月1日のTakizawaレター抜粋 >



このFOMCの結果は、二日間も一体何をしていたの?と聞きたくなる内容。
学者集団とはいえ、直感ではあまりの相場観の無さに驚き。

QE時代、FEDは意図的に利上げにむけての「から元気」を言い続けた。
今のFEDは後2~3回利上げをしたいのが本音のはず。
にもかかわらず、今日露呈された行動力では、(ステートメントの中味)
利上げなどできないまま、次の下降トレンドになるか、
あるいはイエレンでさえ心配するシナリオ、
カーブに遅れ、急激な行動に迫られ、
結局、望んでいない結果になるパターンを想定するしかない(1937年型)。

こういう様をみると、
トランプがGSからCEA長官にゲーリーコーンを入れたのは、
学者だらけのFEDの大改革を前提に、彼をイエレンの後釜に据えるためという、
最初はありえない、突拍子もない、と思った噂に現実味を感じる。

そもそもWSでは圧倒的な頭脳集団のイメージのゴールドマンサックス。
だがコーン氏の最大魅力は、その体育会系の馬力だったとされる。

元々鉄鋼会社へ入ったコーン氏は、早々にそこに見切りをつけ、
NYマーカンタイルのピットに飛び込んだ。
社員研修でNYのマーカンタイルを見学したコーン氏は
大男がひしめき合うトレーデイングピットに感動、
そのままオプションピットの親分に自分を売り込んだ。

翌日の正式な面接の際、
オプションの知識などまったくないにもかかわらず、
一夜ずけの知識と張ったりの迫力で仕事を得たという。

小学生のころ、平均的な子供に比べ
国語力が遅れていることで、コーン氏の担当教師は、
将来は腕のいいトラック運転手を目標すのがベストの選択ではと親に進言したという。

http://nextshark.com/heres-the-ballsy-move-that-got-goldman-sachs-number-2-man-his-first-job-on-wall-street/

そのコーン氏がピットトレーダーからGSの筆頭社長になれたのは
ゴールドのセールスマンからGS会長になったブランクファイン会長とのめぐり合わせ。
90年代にGSはこぞってフロアーオペレーションの会社を買収。
その会社の中にブランクファイン会長とコーン氏がいた。

ブランクファイン会長はそれでもハーバードでマスターを取っている
しかしコーン氏はこちらでは一流扱いされないアメリカン大学の学士だけ。
そのコーン氏がGSで出世できたのは、目標を達成できない部下に対しての
"強烈な指導"だったことは、WSJでも取り上げられた。

いずれにしても、今はあのトランプが米国の大統領だ。
そしてあのバノンがその政権のストラテジスト。
それだけではない。世界で250万人の女性が反トランプの大行進をした翌日、
民主主義などもう辞めて大統領令だけにすべきとコメントしたピーターテイール。
彼はトランプ政権のハイテク業界への指導で多大な影響力をもつ。

アメリカの政権がこのような強烈な個性集団なら
次のFED議長がゲーリーコーンだとしても驚かない。
その場合、戦後ずっとFEDの下にいた金融村の学者型エリートは
心の準備をしたほうがいいかもしれない。

そんななか、イエレンは昨年までのトーンをすこし変えた。
財政と金融の共同作業の必要性をトーンダウンしたのだ。
恐らく、彼女はアニマルスピリッツが点火された状態で
トランプが財政出動を実行する場合、(インフラ投資)
既にジャブジャブの流動性はどうなるか。
急に恐くなったのだろう。

オバマ政権下ではFEDがいくらQEをしたところで、たちまち資金は凍りついた。
FEDのバランスシート拡大に比例しながらも、
氷の塊のままm2まででとどまっていた資金が
トランプによって解凍を始めたらどうなるか。

予期せぬインフレ対応で、マーケットが脱線するのを
恐がり出したような雰囲気だ。(急騰の後の急落)
結果、何もせずステートメントもどこかびくびくしている。、

こういう時代なら、個人的には、
ゲーリーコーンFED議長を見てみたい。


2017年7月14日金曜日

外交の直観力とスピード感


 30年戦争でカソリックのフランスを勝利に導いたリシュリュー



       ナポレンに使えながらナポレオンを個人に罪をかぶせてフランスをすくったタレーラン 


ヒトラーが来ると英国に亡命しながらいつのまにか勝者になったドゴール 



              もしかしたら天才型外交の伝統の引き継いた?



NYTIMESと並ぶ反トランプリベラル系メディアのAtlantic。
同誌がこのタイミングでベトナム戦争拡大 のきっかけとなった、
トンキン湾事件を取り上げたのは、明らかにトランプへのメッセージ。

ただ記事は高級紙とは思えないバカバカしいいナラテイブ。
既にトンキン湾事件はアメリカが仕組んだことは常識。
にもかかわらず、米軍が魚雷発射として処理した影は、
当時のレーダー担当者によればSEA CREATUREだったいう内容。

https://www.theatlantic.com/science/archive/2017/07/giant-pyrosomes-vietnam-war/532893/

恐らく、表面的には見えないが、
水面下では、ワシントンの一部で大規模戦争への画策があるのだろう。
なら場所はどこだろう。中東か、北朝鮮か。
前者なら、リベラル派こんな面倒なことはしないと思う。
むしろシリア攻撃はロシア攻撃に繋がるので歓迎だ。

大規模戦争はもちろんアジアを想定してのこと。
それを望まない中韓の影響下のリベラルが、
過去を持ち出して警告している。

しかし、総じてここまでリベラルのトランプの攻撃は、ポイントがずれている。
今はトランプの息子とロシアの関係で、本人を弾劾まで持ち込む作戦。
だがロシアのハッカーが不正に入手したヒラリーの材料をトランプ側が使ったとしても、
それで国家反逆罪を立証するなら、ハッカーのスノーデンが、国家から盗んだ情報を、
彼を英雄として公開したリベラルメディアは、まず自分たちを国家反逆罪で訴えないとおかしい。

こんな程度では、米国内のリベラル化は進んでいても、
2018年の中間選挙で民主党が勝ちきることはむずかしい。

因みに1998年の中間選挙はクリントンの弾劾プロセスの最中だった。
もともと共和党は「ホワイトウオーター」で弾劾へ持ち込みたかった。
しかし決め手にかけ、結局は「モニカ・ルインスキー」で攻めるしかなかった。
結果は下院は共和党が4票増やしたが、上院は増減なし。
上院の民主党優位は変わらず、弾劾は不成立になった。

ロシア疑惑では、ニクソンの「ウオーターゲート」は無理だと思う。

そんな中でのあわただしいトランプの訪仏。
ずっと前から計画されたのではなく、
直近でマクロンが直観力で招待したものだ。

それ応じるのも、ある意味でトランプの余裕。
ただこれで、G20でマクロンがトランプに寄り添った理由がわかった。
ここまでのトランプとマクロンの関係を整理すると、
二人が会ったのはNOTO会議が最初。
大統領になったばかりのはマクロンはトランプと挑発的な握手。
30歳も年上のトランプは、後で「若造になめらた」漏らした。
https://www.ft.com/content/9b8d2a64-5c17-11e7-9bc8-8055f264aa8b?mhq5j=e1

もしかしたら、それも多少影響したかもしれない。
トランプは直後にパリ協定脱退を正式に表明した。
そこからマクロンは反トランプの挑発を加速した。


Make Our Planet Great Again'


しかしG20の準備で電話会議をした際、 
マクロンはバスチーユ記念日(Bastille Day)に
トランプを招待することを申し出た。

トランプはG20から帰国する。
いくら大統領専用機が快適とはいえ、
フランスへ直ぐまた出かけるのは効率は悪い。
しかし電話から暫くした6月27日トランプは承諾した。

30もの歳の差がある米仏のリーダー。
明らかに個性と価値観は違うが、直観力で対峙すると、
外交スケジュールとはこうなるものなのだろう。
とても日本の外交では感じられないスピード感。

マクロンはトランプを招待する理由として、
今年は米軍が第一世界世界大戦で連合軍として
フランスに到着してちょうど100年になることを持ち出した。

言うまでもなく、二度の世界大戦は、
米軍がフランスに上陸したことで勝負がついた。

建国以来、米仏は米英と別の意味で大人の関係。
世界大戦での米国の栄光を持ち出すのは、
マクロンの二つの計算が窺える。

1)好戦的なトランプの自尊心をくすぐりながら、
2)過去の米国の世界へのコミットをトランプに示すこと。

トランプがこのスケジュールで招待を受け入れたのは、
それに応えてのことだ。

どうみても、トランプが一番嫌いなのは弱虫タイプ。
初対面でマクロンは年上の自分を挑発的したが、
トランプも若い時はそういう男だった。、
だから、多分トランプはマクロンが嫌いではないと思う。

其処にこの演出。
マクロンは、当初自分が感じた以上の天才なのかも。

ローマには抵抗しなかったフランス。(できなかった)
ライン川でローマを撃退したドイツ。

リシュリューは、フランスはカソリックを代表する大国でありながら
30年戦争ではプロテスタント側についてハプスブルグに勝利。
ブルボン朝の最盛期へ。

タレーランは、ずっとナポレオンをささえながら、
彼が敗北すると、ウイーン会議では責任をナポレオン個人になすりつけた。
そして敗戦国のフランスが、なぜか会議で実質の勝利者へ。

ドゴールは、ヒトラーに対抗せず
さっさと英国に逃れたが、ソ連と米国に
ドイツが負けると、いつの間にかフランスは栄光の戦勝国に名を連ねた。

強いがゆえに直情的なドイツとは好対照なフランス。
日本は、ドイツの真似はできるかもしれないが、
フランスの真似をするのはむずかしい。

2017年7月5日水曜日

独立記念日と空気のような善意





今のアメリカは、植民地時代の最後、
すぐ後に起こる独立戦争では援軍を贈ってくれたフランスと戦っている。
いわゆるフレンチインデイアン(7年)戦争だ。

アメリカ側の主力は本国イギリスの国王軍。
英仏本国の代理戦争が、植民地を舞台に繰り広げられたわけだが、
若き日のG.ワシントンは、対フランスのゲリラ戦に参加している。
その経験が、次はそのフランスから援軍を受け、
イギリスからの独立を勝ちとることに役立つことになる。

簡単にお浚いすると、アメリカの独立は、
ジョージ3世に敵対するルイ16世によって援助された。

フレンチインデイアン戦争で植民地を守ったジョージ3世が
発生した財政難をその植民地への増税で対処したところ、
13の植民地がそれに反発した。

怒ったジョージ3世は国王軍による植民地防御の任務を解くと、
国王軍を殺したテロリストたちが大きな反乱軍になり、
その後独立の大義を得て、後の歴史では正義の人になった「建国の父」が
ルイ16の援助でジョージ3世に植民地統治を諦めさせた。

ただアメリカの独立がフランス革命を勇気付けたなら、
ルイ16世は自分で断頭台を呼び込んだ皮肉が残る。

このように、建国以来複雑な駆け引きを繰り広げる米英仏。
今西側諸国で米国に最も敵対するのはフランスだろう。

ただフランスは外交・メディアでは、
直情的で嘘が下手なドイツを矢面に立て、
自分は一歩下がる老獪さをいかんなく発揮している。
もしメルケルがトランプと対峙すれば、マクロンは両者をなだめるのではないか。

そのフランス革命の象徴が自由と平等なら、
アメリカは、Home of Braveと land of Free。
勇気と自由は国歌の最後に登場するアメリカの象徴として
フランスの国歌も「戦場の歌」なのは有名。

調べると、G7 の各国の国歌は概ね勇ましさが強調されている。
例外は日本だけ。「君が代」には戦場の勇ましさはない。
ひたすら世の安寧を祈願し、その象徴である天皇に感謝するような詩。

「君が代」が平安時代の古今和歌集なら当然だが、
これならば天皇を戦争と切り離してしまえば、
日本国民が再び叛旗を翻すことはない。
GHQが1年で「君が代」の復活を許したのもうなずける。

同じ敗戦国のドイツでは、国歌はハイドンの美しいの曲線は残された。
しかしドイツ人の絶対的優位を強調した一番の歌詞はいまだ否定されたままだ。

(注)因みに英国国歌は女王(国王)への畏敬で「君が代」に近い。
でも国王の力で外敵に勝つという勇ましさは残っている。

いずれにしても、日本以外の先進国の国歌は、
勇気を持って戦い、自由や平等を勝ち取ったことを誇りとしている
それに比べると、国歌で長寿と天皇中心の安寧を謳う日本は異質だ。

戦争から70年。今ではそれが日本のすばらしさとして定着。
戦争は全て悪だったとされている。それが、
「国のために戦うか」、という調査の栄誉ある最下位。

でもこれで本当にいいの?
戦後の日本社会は、天皇制をコアに、
アメリカの傘下で戦争には参加しないバランスのなかで成熟した。

この構造の番人が自民党。
今回都議選では小池さんが勝ったとはいえ、
日本人がこの構造を自分からやめる可能性は全く感じない。
しかしアメリカの事情は別である。

アメリカは日本が戦争で負けたアメリカとは少しずつ違ってきている。
 Land the Free はそのままだが、リベラル化が加速するなか、
Home of Braveかどうかは微妙だ。

なぜなら、レーガン時代に理想と覇権の目標に達した後、
米国社会では、大統領が共和党でも民主党でも、
国益とは、経済の優位性と国内のコントロール。
反テロなどの政策はそのための材料にすぎない。

その延長で日米同盟について言うなら、
そもそも「同盟」は日本側の勝手な訳。
アメリカにとって日米安全保障条約は、
あくまでもアライアンスである。

つまり日本人が同盟という響から期待する、
マフィアの血の契り、あるいは宗教で繋がった神との約束や盟約
(Covenant)の感覚はない。 

よって尖閣ためにアメリカが中国と戦うなど、
あってはならないシナリオである。
日頃アメリカ人の中で暮らす立場で断言するが
トランプ大統領が何を言っても、
尖閣でアメリカが中国と戦争をする世論の土台は全く感じない。

ところが、自民党をはじめとする日本の戦後システムのエリートは、
一番肝心なアメリカの事実を日本に伝えようとしない。
むしろごまかす。そんな中、国民の関心は政局や内輪もめ。
ジャーナリストを名のるメデイアはワイドーショーとして
視聴率重視の煽りを展開している。

ならこの表も何も変化をもたらさないだろう。
恐らくブーマー世代はひたすら年金を心配し、
恐らくジェネXは組織での立場と子育てで乏しく、
恐らく社会のボラテイリテイーを知らない若者は
スマートフォンを離さない。

ただ表を良く見ると、平和的でリベラル大国の北欧は、
自国を守る覚悟ではどこも上位だ。

キリスト教が広まる前のバイキング社会には
野蛮とサクリファイスが共存していた。
その強さがヨーロッパの歴史を変えた。
北欧の福祉にはまだサクリファイスが残っている。

一方サクリファイスを伴わない空気のような善意。
歴史的にはそれがほとんど意味を成さないことは、
12世紀の東西を代表する知識人の聖ベルナールと親鸞が指摘している。

なにやら再び蔓延してきたこの空気が、
この4thターニングの出口でどうなっているのか。
アメリカの独立記念日にじっくり考えたい。

2017年6月30日金曜日

週末の衝撃  

有料レターのタイトルの漢字を間違えたことを
FXON のツイッターを観て今になって気づいた。

本来タイトルは「週末」の衝撃。
ところが「終末」になってしまっていた。
週末と終末では意味が違う。まだ終末ではない。
とんでもない間違いだった。

以下に本文を抜粋した。


                                             ステイ-ブバノンが目指すはクロムウェル       
      
           
週末のNHKスペシャルに衝撃を受けた。
佐藤名人が勝てなかった将棋ソフトの「ボナンザ」。
開発した山本一成氏いわく、自分で学習をするボナンザが、
今どうやってプロのトップ棋士に勝っているのか、
最早自分にも説明できないというのだ。

数年前に自分のツイッターにHALの写真を据えた。
HALは1968年公開の「2001年宇宙の旅」の「主人公」の「一人」であり、
自分で考えることを始めたAIの「HAL9000」が、
それに気づいた人間が自分の電源を切る前に、
人間に先回りして人間の生命維持装置を外す役割(宇宙船員)

将棋ソフトは将棋のルールから離れることはないとしても、
JPモルガンが言うところの、"今のEquity市場の値動きの60%はAIの産物"が事実なら、
そのルールは、政治はともかく、実態経済や企業業績という本質とどこまで相関するのか。衝撃とは、ここがわからないと、相場観の立てようがないということ。

さて、フェイスブックの友人に感想を聞かれたので
日本では週末にNHK・BSで放送されたという
トランプ政権の黒幕「バノンの戦い」を観た。 
https://www.youtube.com/watch?v=fciSYke-NMc

3月にバノンの更迭説が出たその際、
ここでは一貫してトランプが再選を狙う限り、
バノンを切ることはできないだろうと示唆した。

今のところ結果はそのとおりになったが、
番組の内容は、その理由がよく出ていた。

そして一見無関係だが、本日イタリアがEUのルールを無視し、
ベイルインではなく、ベイルアウトで国内の銀行救済を決めたことは、
バノンという人間を考える上で非常に重要である。

まずトランプ政権で歴史に精通しているとされるのが、
マチス国防長官とマクマスター補佐官。
さらにこのバノンだ。(全員軍人)

バノンの影響を受けたトランプが、
時より自分でおかしな事を言うのは愛嬌として、
恐らくバノンにとって「4thターニング」は膨大な知識の一端にすぎない。

そしてそのバノンが自分と重ねる歴史上の人物はトマス・クロムウェル。
クロムウェルは、英国を欧州の外れの島国から一流国家へ変貌させたヘンリー8世の執事。

ヘンリー8世はシャルル王以来、
欧州の国王が重んじたカソリックの古いルールを無視。
結果的に英国をローマ教皇の支配から脱却させた。
その過程で、人格者であり、ヘンリー8世の友人であり、
古いエリートの代表格だったトマスモアを失脚させたのがクロムウェルだ。

クロムウェルはトマスモアが守ろうとしたカソリックの終えを終わらせ、
寺院の力を削ぐ進言をヘンリー8世にした(トマスモアは斬首)。
ただ強引なクロムウェルの手法は、ヘンリー8世を囲むの古い世代に疎まれた、
そしてちょっとしたミスで失脚、自分自身、ロンドンタワーの断頭台に消えた。
(ヘンリー8世の再婚相手に不美人だったドイツ王女を選んだ)

その際、彼の首を落とす執行人を酔わせ、
苦しみを味あせながら首を落とした経緯が逸話になったのは、
彼がどれほど憎まれていたかの証明だろう。
恐らく、バノンは自分にも同じ運命が来る可能性を覚悟している。

そしてここでの注目は、
宗教改革は破天荒なヘンリー8世の人格に端を発したとして、(離婚)
国民世論構築でクロムウェルが使った手段は、当時としては画期的だった書物。

グーテンブルグが1455年に初めて聖書を印刷するまで、
聖書は、カソリック寺院の僧が2年かかって一冊を書き写す貴重な物だった。
当然流通していない。よってキリスト教は、バチカンを頂点にする
カソリック寺院僧侶たちの「語り」が布教を支えた。

そうなると、字も読めず、本(聖書)もしらない庶民がカソリック寺院の
言いなりになるのは必然だろう。

その延長で免罪符などと言うインチキで庶民から税金を取り立て
それであのサンピエトロ寺院を立てたバチカンに対し、
宗教改革が起こるのは当たり前だった。しかしそのきっかけは、
庶民が自分で聖書を読む機会を得たこと。

そこし後、スエーデンではグスタフ一世によるプロテスタントへの改宗が断行されるが、
ここでも庶民が自分で聖書を読むようなったのが大きかったとされる

この時代に先駆け、書物を保護し、庶民にそれを広めたクロムウェルは、
バノンが、インターネットのブレイバートとSNSで
守旧派の主要リベラルメデイアに対抗し、最終的にトランプを勝利に導いたことと重なる。

いずれにしても、
略100%カソリックのイタリア・フランス・スペインと、
30%がカソリックで30%がプロテスタントのドイツ。
彼ら中心にしたユーロ圏のリベラル勢力は、
マクロン勝利で図に乗りすぎた感。

このイタリアのベイルアウトは、
選挙で沈静化したはずのオランダ。
純粋プロテスタントのフィンランド。
そして、何より30%のドイツ人の怒りを買うと予想する

2017年5月27日土曜日

トランプの楽しみ方

                                             2003年のドキュメンタリーBorn richから
                                       
https://www.youtube.com/watch?v=8o46HH-TfNY


5番街をダデイといっしょに歩いていて、
ちょうどトランプタワーの前にさしかかった時でした。
自分たちが住むビルの前に、一人のホームレスが座っていました。

あの頃私は9歳か10歳ぐらいだったと思います。
両親は離婚問題を抱えて大変な時でした。

すると突然ダデイはホームレスの男性を指差して言いました。
「彼は僕より8ビリオン(8000億円)も金持ちなんだ、、」

最初ダデイが何を言っているのかわかりませんでした。
でもそれは、当時ダデイは、とんでもない借金を抱えていたということでした。
いろいろありましたが、あの苦境を乗り切った両親を、私は尊敬しています。


http://www.cnn.com/2016/07/10/opinions/donald-trump-biography-michael-dantonio/index.html


この頃のトランプは、公表だけで会社で4ビリオン(4000億円)の負債。
もしイバンカだけに心の内を見せたなら、本当はもっとあったのだろう。
問題は個人で980ミリオン(1000億円)の債務保証をしていたことだった。

NYの72の銀行からは全て限界まで借りていた。
彼らが一堂に集まった会議で、債券団を代表した弁護士が、
後に「ザ トランプモーメント」だったと言うシーンが起こる。

債権団の銀行はトランプ側が提示した5カ年債務返済計画を拒否。
プラザホテルの抵当権など、ぶ厚い書類の束をトランプに突き付けた。

するとトランプは休憩を申し出ておもむろに席を立つと、
しばらくして大きなダンボール箱二つを抱えたスタッフといっしょに戻って来た。

そして交渉がどうなるかわからない状況で、
「皆さん今日はお集まりいただきどうもありがとう」
「私は皆さんのご協力に感謝します、、」と切り出した。

そのまま「THE ART OF THE DEAL」にサインをし、
一人一人に手渡したという。

あっけに取られる債権団。
真にトランプの真骨頂だが、
債権団はトランプを殺すのではなく(トランプが個人破産を選ぶ)
セールスマンとしてのトランプの才能を活かす道を選択した。、、



紹介した二つのビデオ。
前者の「Born Rich」はトランプというキャラクターに興味をもつきっかけとなり、
後者は、大統領選でトランプが勝つだろうという予想を確固たるものにした。

この苦境の後、トランプは会社としてタージマハールを倒産させ、
多くの人に多大な迷惑をかけた。

そして90年代の苦境を乗り切ったあとも、
2001年に着工したシカゴのトランプタワーでは
完成した2008年にリーマンショックが起きたことで、
段階的に支払っていた建設費の一部(ドイツ銀行への300億円分)を
あえて拒んだという。(大統領選挙でヒラリー陣営の調査資料)


恐らく彼に失うものは無い。
ただトランプが苦境を生き残ったのは、
彼がアメリカで生まれたからだ。

彼が他人に押し付けた負債は
偉大なアメリカにお金が集まることで癒された。
その意味で、彼はアメリカに感謝しているのは事実だろう。
偉大なアメリカを取り戻すとはそういうことだ。

トランプが今の逆風どう乗り越えるか。
楽しみだ。







2017年5月19日金曜日

成長が幸せだった頃

NHK朝ドラ「ひよっこ」(スポーツ報知から引用)




今放送中の朝ドラ、共感したのは向島電気の設定。
自分が初めて東京に出て、東京の雰囲気を味わったのが、
墨田区京島だった。

週末は中華料理店の二階に寝泊りし
出前で向島警察署に出入りしていた。
下町の情感。そして疲れた体を癒した銭湯。
なつかしい。

ドラマでは女の子の演技がしっかりしている。
脚本は、戦後の日本の経済成長の足音が、
人間社会の幸せの足音と歩調があっている。

舞台となった1964年生まれの自分が、
高校を卒業し、東京に出たころは、
日本経済は輸出主導から金融経済へ。
そして内需拡大に向かっていた。
そして後に、「バブル」と言わた時代が来た。

この時代を知るジェネXとして、今何が出来るか。
いろいろメッセージはある。リーマンショックの前から、
経済成長と幸福感がずれ始めた時代を目の当たりにした。
バブルが忘れられない熟年証券マンの3万円説。
それよりも、若い人は、現状をしっかり押さえることが重要だと思う。
日銀頼みでいずれ朽ちていく中高年とは裏腹に、
次のイノベーションは若い世代にかかっている。

(注)墨田区京島3丁目の中華料理「美味済」
   此処の海老焼きそばは絶品
https://tabelog.com/tokyo/A1312/A131203/13061928/