ゴゴジャンTakizawa レター

ゴゴジャンTakizawa レター
ビックピクチャーとマーケットのメカニズムは車の両輪

2017年6月30日金曜日

週末の衝撃  

有料レターのタイトルの漢字を間違えたことを
FXON のツイッターを観て今になって気づいた。

本来タイトルは「週末」の衝撃。
ところが「終末」になってしまっていた。
週末と終末では意味が違う。まだ終末ではない。
とんでもない間違いだった。

以下に本文を抜粋した。


                                             ステイ-ブバノンが目指すはクロムウェル       
      
           
週末のNHKスペシャルに衝撃を受けた。
佐藤名人が勝てなかった将棋ソフトの「ボナンザ」。
開発した山本一成氏いわく、自分で学習をするボナンザが、
今どうやってプロのトップ棋士に勝っているのか、
最早自分にも説明できないというのだ。

数年前に自分のツイッターにHALの写真を据えた。
HALは1968年公開の「2001年宇宙の旅」の「主人公」の「一人」であり、
自分で考えることを始めたAIの「HAL9000」が、
それに気づいた人間が自分の電源を切る前に、
人間に先回りして人間の生命維持装置を外す役割(宇宙船員)

将棋ソフトは将棋のルールから離れることはないとしても、
JPモルガンが言うところの、"今のEquity市場の値動きの60%はAIの産物"が事実なら、
そのルールは、政治はともかく、実態経済や企業業績という本質とどこまで相関するのか。衝撃とは、ここがわからないと、相場観の立てようがないということ。

さて、フェイスブックの友人に感想を聞かれたので
日本では週末にNHK・BSで放送されたという
トランプ政権の黒幕「バノンの戦い」を観た。 
https://www.youtube.com/watch?v=fciSYke-NMc

3月にバノンの更迭説が出たその際、
ここでは一貫してトランプが再選を狙う限り、
バノンを切ることはできないだろうと示唆した。

今のところ結果はそのとおりになったが、
番組の内容は、その理由がよく出ていた。

そして一見無関係だが、本日イタリアがEUのルールを無視し、
ベイルインではなく、ベイルアウトで国内の銀行救済を決めたことは、
バノンという人間を考える上で非常に重要である。

まずトランプ政権で歴史に精通しているとされるのが、
マチス国防長官とマクマスター補佐官。
さらにこのバノンだ。(全員軍人)

バノンの影響を受けたトランプが、
時より自分でおかしな事を言うのは愛嬌として、
恐らくバノンにとって「4thターニング」は膨大な知識の一端にすぎない。

そしてそのバノンが自分と重ねる歴史上の人物はトマス・クロムウェル。
クロムウェルは、英国を欧州の外れの島国から一流国家へ変貌させたヘンリー8世の執事。

ヘンリー8世はシャルル王以来、
欧州の国王が重んじたカソリックの古いルールを無視。
結果的に英国をローマ教皇の支配から脱却させた。
その過程で、人格者であり、ヘンリー8世の友人であり、
古いエリートの代表格だったトマスモアを失脚させたのがクロムウェルだ。

クロムウェルはトマスモアが守ろうとしたカソリックの終えを終わらせ、
寺院の力を削ぐ進言をヘンリー8世にした(トマスモアは斬首)。
ただ強引なクロムウェルの手法は、ヘンリー8世を囲むの古い世代に疎まれた、
そしてちょっとしたミスで失脚、自分自身、ロンドンタワーの断頭台に消えた。
(ヘンリー8世の再婚相手に不美人だったドイツ王女を選んだ)

その際、彼の首を落とす執行人を酔わせ、
苦しみを味あせながら首を落とした経緯が逸話になったのは、
彼がどれほど憎まれていたかの証明だろう。
恐らく、バノンは自分にも同じ運命が来る可能性を覚悟している。

そしてここでの注目は、
宗教改革は破天荒なヘンリー8世の人格に端を発したとして、(離婚)
国民世論構築でクロムウェルが使った手段は、当時としては画期的だった書物。

グーテンブルグが1455年に初めて聖書を印刷するまで、
聖書は、カソリック寺院の僧が2年かかって一冊を書き写す貴重な物だった。
当然流通していない。よってキリスト教は、バチカンを頂点にする
カソリック寺院僧侶たちの「語り」が布教を支えた。

そうなると、字も読めず、本(聖書)もしらない庶民がカソリック寺院の
言いなりになるのは必然だろう。

その延長で免罪符などと言うインチキで庶民から税金を取り立て
それであのサンピエトロ寺院を立てたバチカンに対し、
宗教改革が起こるのは当たり前だった。しかしそのきっかけは、
庶民が自分で聖書を読む機会を得たこと。

そこし後、スエーデンではグスタフ一世によるプロテスタントへの改宗が断行されるが、
ここでも庶民が自分で聖書を読むようなったのが大きかったとされる

この時代に先駆け、書物を保護し、庶民にそれを広めたクロムウェルは、
バノンが、インターネットのブレイバートとSNSで
守旧派の主要リベラルメデイアに対抗し、最終的にトランプを勝利に導いたことと重なる。

いずれにしても、
略100%カソリックのイタリア・フランス・スペインと、
30%がカソリックで30%がプロテスタントのドイツ。
彼ら中心にしたユーロ圏のリベラル勢力は、
マクロン勝利で図に乗りすぎた感。

このイタリアのベイルアウトは、
選挙で沈静化したはずのオランダ。
純粋プロテスタントのフィンランド。
そして、何より30%のドイツ人の怒りを買うと予想する

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