ゴゴジャンTakizawa レター

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ビックピクチャーとマーケットのメカニズムは車の両輪

2017年7月5日水曜日

独立記念日と空気のような善意





今のアメリカは、植民地時代の最後、
すぐ後に起こる独立戦争では援軍を贈ってくれたフランスと戦っている。
いわゆるフレンチインデイアン(7年)戦争だ。

アメリカ側の主力は本国イギリスの国王軍。
英仏本国の代理戦争が、植民地を舞台に繰り広げられたわけだが、
若き日のG.ワシントンは、対フランスのゲリラ戦に参加している。
その経験が、次はそのフランスから援軍を受け、
イギリスからの独立を勝ちとることに役立つことになる。

簡単にお浚いすると、アメリカの独立は、
ジョージ3世に敵対するルイ16世によって援助された。

フレンチインデイアン戦争で植民地を守ったジョージ3世が
発生した財政難をその植民地への増税で対処したところ、
13の植民地がそれに反発した。

怒ったジョージ3世は国王軍による植民地防御の任務を解くと、
国王軍を殺したテロリストたちが大きな反乱軍になり、
その後独立の大義を得て、後の歴史では正義の人になった「建国の父」が
ルイ16の援助でジョージ3世に植民地統治を諦めさせた。

ただアメリカの独立がフランス革命を勇気付けたなら、
ルイ16世は自分で断頭台を呼び込んだ皮肉が残る。

このように、建国以来複雑な駆け引きを繰り広げる米英仏。
今西側諸国で米国に最も敵対するのはフランスだろう。

ただフランスは外交・メディアでは、
直情的で嘘が下手なドイツを矢面に立て、
自分は一歩下がる老獪さをいかんなく発揮している。
もしメルケルがトランプと対峙すれば、マクロンは両者をなだめるのではないか。

そのフランス革命の象徴が自由と平等なら、
アメリカは、Home of Braveと land of Free。
勇気と自由は国歌の最後に登場するアメリカの象徴として
フランスの国歌も「戦場の歌」なのは有名。

調べると、G7 の各国の国歌は概ね勇ましさが強調されている。
例外は日本だけ。「君が代」には戦場の勇ましさはない。
ひたすら世の安寧を祈願し、その象徴である天皇に感謝するような詩。

「君が代」が平安時代の古今和歌集なら当然だが、
これならば天皇を戦争と切り離してしまえば、
日本国民が再び叛旗を翻すことはない。
GHQが1年で「君が代」の復活を許したのもうなずける。

同じ敗戦国のドイツでは、国歌はハイドンの美しいの曲線は残された。
しかしドイツ人の絶対的優位を強調した一番の歌詞はいまだ否定されたままだ。

(注)因みに英国国歌は女王(国王)への畏敬で「君が代」に近い。
でも国王の力で外敵に勝つという勇ましさは残っている。

いずれにしても、日本以外の先進国の国歌は、
勇気を持って戦い、自由や平等を勝ち取ったことを誇りとしている
それに比べると、国歌で長寿と天皇中心の安寧を謳う日本は異質だ。

戦争から70年。今ではそれが日本のすばらしさとして定着。
戦争は全て悪だったとされている。それが、
「国のために戦うか」、という調査の栄誉ある最下位。

でもこれで本当にいいの?
戦後の日本社会は、天皇制をコアに、
アメリカの傘下で戦争には参加しないバランスのなかで成熟した。

この構造の番人が自民党。
今回都議選では小池さんが勝ったとはいえ、
日本人がこの構造を自分からやめる可能性は全く感じない。
しかしアメリカの事情は別である。

アメリカは日本が戦争で負けたアメリカとは少しずつ違ってきている。
 Land the Free はそのままだが、リベラル化が加速するなか、
Home of Braveかどうかは微妙だ。

なぜなら、レーガン時代に理想と覇権の目標に達した後、
米国社会では、大統領が共和党でも民主党でも、
国益とは、経済の優位性と国内のコントロール。
反テロなどの政策はそのための材料にすぎない。

その延長で日米同盟について言うなら、
そもそも「同盟」は日本側の勝手な訳。
アメリカにとって日米安全保障条約は、
あくまでもアライアンスである。

つまり日本人が同盟という響から期待する、
マフィアの血の契り、あるいは宗教で繋がった神との約束や盟約
(Covenant)の感覚はない。 

よって尖閣ためにアメリカが中国と戦うなど、
あってはならないシナリオである。
日頃アメリカ人の中で暮らす立場で断言するが
トランプ大統領が何を言っても、
尖閣でアメリカが中国と戦争をする世論の土台は全く感じない。

ところが、自民党をはじめとする日本の戦後システムのエリートは、
一番肝心なアメリカの事実を日本に伝えようとしない。
むしろごまかす。そんな中、国民の関心は政局や内輪もめ。
ジャーナリストを名のるメデイアはワイドーショーとして
視聴率重視の煽りを展開している。

ならこの表も何も変化をもたらさないだろう。
恐らくブーマー世代はひたすら年金を心配し、
恐らくジェネXは組織での立場と子育てで乏しく、
恐らく社会のボラテイリテイーを知らない若者は
スマートフォンを離さない。

ただ表を良く見ると、平和的でリベラル大国の北欧は、
自国を守る覚悟ではどこも上位だ。

キリスト教が広まる前のバイキング社会には
野蛮とサクリファイスが共存していた。
その強さがヨーロッパの歴史を変えた。
北欧の福祉にはまだサクリファイスが残っている。

一方サクリファイスを伴わない空気のような善意。
歴史的にはそれがほとんど意味を成さないことは、
12世紀の東西を代表する知識人の聖ベルナールと親鸞が指摘している。

なにやら再び蔓延してきたこの空気が、
この4thターニングの出口でどうなっているのか。
アメリカの独立記念日にじっくり考えたい。

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